【超高耐久橋梁】徳島自動車道に別埜谷橋に「Dura-Bridge」初適用 NEXCO西日本と三井住友建設が開発 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

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【超高耐久橋梁】徳島自動車道に別埜谷橋に「Dura-Bridge」初適用 NEXCO西日本と三井住友建設が開発

 NEXCO西日本と三井住友建設が共同開発を進めていた、腐食しない非鉄製材料を使った超高耐久橋梁「Dura-Bridge(Durable Bridge)」が、新設高速道路本線橋として初めて、徳島自動車道別埜谷橋に採用されることが決まった。2019年度第4四半期からの現場架設を想定している。今後、適用拡大に向けた基準類を整備するとともに、飛来塩分や凍結防止剤散布による鋼材の腐食環境が厳しい高速道路本線構造物への展開を目指す。

超高耐久橋梁の完成イメージ

 高速道路橋では、中国地方や沿岸部を中心に、凍結防止剤の散布や飛来塩分による鋼材の腐食が問題となっている。両社は、塩分によって腐食する鉄筋やPC(プレストレスト・コンクリート)鋼材などの鋼材を一切使用しない橋梁の開発を2010年3月から進めてきた。
 「Dura-Bridge」は、設計基準強度が1平方mm当たり80ニュートンの高強度繊維補強コンクリートを使い鉄筋の配置をなくした。PC鋼材の代わりにアラミドFRPロッドを使用して緊張することで、腐食劣化の可能性を排除した。これにより、鋼材腐食によるコンクリート片のはく落などが起きず、耐久性も飛躍的に向上する。
 既に材料試験や要素試験で十分な強度を確認しており、工事用道路を使った実証橋で施工性や安全性も確認し、技術として確立できたことから、今回、実橋梁での適用を決めた。
 別埜谷橋は、徳島自動車道土成IC~脇町ICにある長さ27.5mのバタフライウエブ橋として計画している。今後、詳細設計に着手し、19年度第1四半期から施工計画の検討、同第2四半期から工場製作、同第4四半期から現場架設、20年度第2四半期から付属物などの工事を進め、モニタリングを経て同第3四半期末の完成を目指す。
 まずは長さの短い橋梁で採用、得られた技術的課題の整理や実績工事費の精査を進め、より長い橋梁での展開を検討する。

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