【浸水リスク対策】「T-Flood Analyzer」に新機能! CAD/BIMデータで避難経路と所要時間を算出 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【浸水リスク対策】「T-Flood Analyzer」に新機能! CAD/BIMデータで避難経路と所要時間を算出

 大成建設は、2016年に開発した建物内部の浸水リスクを短時間で可視化できるシステム「T-Flood Analyzer」に、利用者の避難経路と所要時間を算出する新機能を追加した。新機能により建物の利用者に配慮した最適な居住配置の設定が可能となる。また止水板の設置でも避難時間や経路を比べて検討できるため、より安全で安心な防災計画の策定につながる。
 T-Flood Analyzerは、建物のCADデータがある場合、 浸水解析時に必要な流入経路や開口部の場所・幅などを入力すれば、自動で解析し、 時間経過に伴う部屋ごとの浸水高さなどを図面に提示できる。 BIMデータが存在すれば、さらに迅速に解析し、 解析結果も3次元での表示が可能となる。
 追加した新機能は地下階の各居室から地上出口までの最短避難経路と所要時間を算出して表示する。避難経路が浸水域となる場合は、浸水の深さに応じた歩行速度の低下を考慮し、避難時間を導き出す。そのため、高齢者や子どもが利用する居室を短い時間で避難できる場所に割り当てるなど、浸水時に安全に避難できる最適な居室の配置が設定できる。
 止水版設置などでは利用者の避難時間の違いを考え、各居室から避難経路と所要時間を比較して検討できる。止水版の設定位置をシステム上で簡単に変えられ、避難経路や所要時間を比較でき、効果的な止水版の配置検討につながる。
 事前にシミュレーションした避難経路パターンと建物周辺の降雨情報を連動させ、利用者の年齢を考慮した避難計画の検討も可能。同社は建物地下階や地下街などで、施設内の居室や共有空間の利用方法、利用者の避難時の安全などを考慮した浸水リスク対策・管理に積極的に展開する予定だ。

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