【クルーズバース】博多港に日本一の拠点が誕生! 世界最大級クルーズ船2隻が同時着岸可能に | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

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【クルーズバース】博多港に日本一の拠点が誕生! 世界最大級クルーズ船2隻が同時着岸可能に

 九州地方整備局博多港湾・空港整備事務所と福岡市は9日、福岡市の博多港中央ふ頭クルーズバースの供用式典を開いた=写真。クルーズ船の受入環境改善のため中央ふ頭西側を330m延伸する事業で、世界最大級のクルーズ船22万t級の2隻同時着岸が可能となった。ジャケット構造の採用など迅速施工により、着工から2年の短期間で完成させた。
 式典であいさつした高島宗一郎市長は「整備により、日本一のクルーズ拠点港となった。今後も、日々変化するクルーズ船を取り巻く状況を踏まえ、新たな戦略を展開する」とし、上海港との連携によるアウトバウンドの強化や、福岡空港とのフライアンドクルーズなどの構想を紹介した。最後に「クルーズ振興は観光立国を目指す日本の国家戦略の重要な柱の1つだ。訪日クルーズ客数500万人の実現に向けて博多港が質の面でも日本全体をけん引できるよう努めたい」と述べた。
 伊勢田敏九州地方整備局長は下司弘之港湾局長の祝辞を代読し「博多港は中国から近いという地理的特長を生かし、昨年は寄港回数が326回を達成し、3年連続で全国1位となった。訪日クルーズ旅客の受入機能が強化され、地域経済の活性化に大きく貢献することが期待される」と述べた。
 この後、関係者によるテープカットを行った。この日は上海発着のノルウェージャン・ジョイが寄港しており、式典に花を添えた。
 工事は同事務所が担当した。整備効果の早期発現を図るため、16万t級のクルーズ船を受け入れるI期工事(長さ60m)を先行整備し、16年7月に着工し17年3月までに完成。引き続き2期工事(270m)を進め、8月までに完成させた。9月4日にはクルーズ船2隻が初めて同時着岸した。
 迅速施工を実現するため、岸壁を利用しながら施工が可能なジャケット構造を採用した。ジャケット据付前の鋼管杭打設では、ドーナツオーガー併用工法により、クルーズ船の着岸から離岸までの8時間の間に打設完了させた。また、工場製作によるプレキャスト床版を採用した。

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