関西国際空港では、関西エアポートや近畿地方整備局など各関係者が懸命の復旧作業にあたっており、A滑走路の冠水がほぼ解消するなど急速に排水作業が進んでいる。関西エアポートの山谷佳之社長とエマヌエル・ムノント副社長は8日、会見を開いて台風21号災害からの早期復旧計画を説明。14日には既に緊急供用している2期島施設に続いて1期島施設を部分供用する見通しとなっている。
空港施設については、7日時点で被害の少なかったB滑走路を使った緊急供用を始め、8日から2期島のターミナルビルなども一部供用している。14日には1期島のA滑走路やメインターミナルの部分供用、2期島施設の全供用を目指している。
また、1期島の手荷物取扱施設は国際線の出発系コンベヤーの北側と到着系コンベヤーの調査・復旧に取り組んでおり、順次浸水部分の電気部品や制御装置の清掃・交換を行う。
台風で冠水したA滑走路の排水は、備え付けている排水設備10基が停電などで十分に機能せず、近畿整備局のTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)が緊急支援。災害対策本部車2台、照明車1台、排水ポンプ車10台を派遣。ポンプ車支援で設備が稼働するとみるみる排水が進んだという。
7日午後4時時点で26万m3もの排水を行い、既にA滑走路と第1ターミナルの浸水をほぼ解消、その後は電源設備が集中するB共同溝地下部分の排水を継続していたが、10日午後2時ですべての作業が完了した。
TEC-FORCEはこのほか、空港や連絡橋のヘリ調査なども行っており、持てる経験と設備を駆使して全力で復旧をサポートしている。