国土交通省は、台風21号の影響で損傷した関西国際空港連絡橋について、12日から損傷した橋桁の撤去に着手すると発表した。
損傷した橋桁をクレーンで吊り上げ撤去する。道路部の修復を担当しているNEXCO西日本によると、撤去する橋桁は2径間188mで重さは2000t。撤去作業はIHIインフラシステムが担当する。天候の変化による不測の事態が生じない限り、14日には橋桁撤去が完了するという。
撤去終了後、新関西国際空港会社が鉄道桁の据え直し作業に着手する。当初10月上旬を想定していた鉄道の運転再開時期が1週間程度短縮され、9月内に再開できる見通しだ。
同連絡橋は道路と鉄道の2階建て構造で全長3750mの鋼連続トラス橋。台風21号による強風で4日、タンカーが道路部下り線の桁に衝突。現在は上り線のみシャトルバスや関係車両が通行可能となっている。
電気系統の浸水被害が深刻 復旧作業急ぐ
台風21号による4日の豪雨で被災した関西国際空港で被災個所の復旧作業が関西エアポートにより急ピッチで進められている。電気系統は高圧電気室が浸水したことで、供給がストップしており現在、被災した配電設備を乾燥させる作業を実施している。このほかハイドラント設備のチェック作業なども進めている。
同社では浸水による湿度の上昇を考慮し現在、設備をブロワーにより乾燥させている。この作業が終了してから、各機器が故障していないかどうか、チェックした上で問題がなければ電気供給を再開する。
エプロン下に埋設している航空機駐機場まで燃料を送るハイドラント設備は、暴風により、緊急停止装置が倒壊し、給油機能が全面ストップした。浸水した1期島には飛行機から直接燃料を給油するためのピットが137カ所設置されている。このうち数カ所でピット内に水が入り込んだ。構造上は浸水しても問題ないものの燃料の品質チェックを実施している。現在85カ所でチェックが完了した。
浸水が最もひどかった国際貨物地区では航空会社が管理する輸入関連の上屋が被災。こちらも電気系統に不具合が出ており、電気・水道インフラが使えない状態。復旧作業を急いでいるが冷蔵設備の稼働時期にめどは立っていない。