【IT導入補助3次公募】建設業向けITツールも対象 生産性向上を実現した事例を紹介! | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

公式ブログ

【IT導入補助3次公募】建設業向けITツールも対象 生産性向上を実現した事例を紹介!

 ITツールの導入で中小企業・小規模事業者の業務効率化を支援する経済産業省の「IT導入補助金」の3次公募が始まった。ソフトウェアなどの導入費の2分の1(上限額50万円)までを負担する助成金制度で3次元ソフトや勤怠管理システムなど建設業向けITツールも対象だ。生産性向上を実現した大塚工務店(静岡県藤枝市)と奈々ホーム(岩手県一関市)の事例を紹介する。

大塚工務店

 宮大工の技術を継承する地域密着型工務店となる大塚工務店は、2020年以降の建築市場を見据え、顧客への提案力向上、社内業務の合理化による競争力強化に向けた3次元CADによる業務改革に取り組んだ。
 導入したのは『MADRIC・AD-1』(ベンダー=シーピーユー)。3次元での外観・内観の完成イメージの作成、間取り・設計図面の作成、リフォーム・建物燃費計算シミュレーション、顧客管理・確認・実施・積算機能などを備える。

3次元CADで提案力を向上

 3次元CADで作成した詳細なイメージや図面を、VRも体験できる同社ショールームの大型パネルに表示して理解度や満足度の向上を図った。顧客は実際の完成イメージを体感できるため、提案から判断するまでの意志決定時間が大幅に短縮した。提案の質と受注スピードが向上し、付随する社内作業の合理化も実現したことで、売上げ増加と粗利改善に貢献したという。
 同社は「ITツールはまずはやってみることが重要。導入効果を最大限に引き出すため、ITツールの選択には導入後のサポートが手厚いIT導入補助金支援事業者を活用するべき」とポイントをあげる。

奈々ホーム

 奈々ホームは、2017年5月の法人化を機に、ITツールを活用して原価や予算実績管理など業務の“見える化”に取り組んだ。得意とする自然素材の活用や熟練の大工の経験値などをデータで管理し、情報分析することでブランド力の向上、商品やデザイン力の強化を目指している。

建設業向け原価管理ソフトを導入

 補助金申請時の経営計画書の作成を通じ、原価管理や業務管理に課題が見えたことから、建設業に特化したソフト『レッツ原価管理Go』(レッツ)を導入した。見積書の作成から原価の明細把握、労務管理、請求書の発行などに活用している。IT導入支援事業者がインストールから稼働までサポートし、操作法が不明な時はリモート支援するため、安心して利用できる。
 知りたい情報をリアルタイムで集計・確認できるほか、工事別や月次・年次別の集計など経営管理に必要な情報をまとめる時間が大幅に短縮されるため、今後は経営判断の指針として活用する方針だ。同社は「どんな会社にも強みや弱み、事業課題があるが、ITツールを使うことで解決できる課題は多い。同業者や友人、専門家から情報を集め、補助金の申請を勧めたい」と語る。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら