建材メーカーが、高齢化で需要の高まる介護・福祉市場に新商品を投入する。アジア最大級の「第45回国際福祉機器展」が10日に開幕し、ことしは14カ国1地域から560以上の企業・団体が出展した。
TOTOは24回目の出展、TOTO、大建工業、YKKAPによる「TDYアライアンス」としての合同出展はことしで3回目となる。出展コンセプトに「つなぐ、素(そ)のままのくらし」を掲げ、主に介護施設向けとして、高齢者や障害者と介助する人それぞれが、ありのままの自分で快適に過ごせる空間を目指す。
そのほかTOTOは、新商品の「コンパクト多機能トイレパック」を展示した。ベビーチェアや、車いすの目線に合わせた設計の器具をそろえており、乳幼児連れや高齢者、車いす使用者など幅広い利用者が利用しやすい。
大建工業は、トイレの扉として、開け始めは引き戸で、半分開けてからは開き戸となる「ひきドア」によって、掃除やメンテナンスがしやすく、車いすでも入りやすいトイレを実現した。
YKKAPは、再生木を使用したデッキ「リウッドデッキ」と大開口窓の組み合わせで、開放感のある空間を提案した。窓枠の部分に段差がないため、車いすでも室内とデッキを行き来しやすい。
一方、LIXILは、「生活者が明るく楽しく前向きに」過ごすことをサポートすることを狙いに、住宅リフォームや在宅介護リフォームに適したユニバーサルデザイン商品を展示した。
主な展示は、車いす使用者にも使いやすい新商品キッチン「ウエルライフ」。リモコンで自動昇降する棚、足元のスペースを広くとり座ったままでも使いやすい設計のシンク、タッチ操作で吐水・止水できる水栓などを備える。
そのほか、車いすやベビーカーでのがたつきの少なさと滑りにくさを両立した玄関向けスロープ「アレス」や、シャワーだけで浴槽入浴と同程度に体を温める効果があり、介助者の負担を軽減する「シャワー・ド・バス」など、在宅介護向けの器具をブースで体感できる。
国際福祉機器展の会場は東京都江東区の東京ビッグサイト、会期は12日まで。