【第2回建設DX展 200社が出展 会場にぎわう】 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【第2回建設DX展 200社が出展 会場にぎわう】

 関西地区最大規模をうたう建設DX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマとした展示会「第2回関西建設DX展」(主催・RXジャパン)が9月28日から30日まで、インテックス大阪(大阪市)で開かれた。建設関連のメーカーやベンダーなど約200社が出展した。主催者発表によると会場にはその他関連展示会も含め3日間で合計約1万3300人が訪れ、にぎわった。展示の一部を紹介する。

◆先進のデジタルプラットフォーム

 竹中工務店は、同社の建設DXを支える「建設デジタルプラットフォーム」をテーマに展示した。建設生産の流れのうち「企画・設計」「生産」「運用」について同社が注力している分野をアピールした。企画・設計分野では3D都市モデルを活用したサービスの開発について、生産分野ではBIMと連携した建設ロボットの開発を中心に、運用についてはスマートビルの管理サービスや利用者向けサービスの基盤となる建物データプラットフォームなどを紹介した。

◆電動でも手動でも軽く動く

 国内唯一の総合ゲートメーカー・応緑(兵庫県姫路市)は、同社が手掛ける鋼製門扉「ハイスペックゲート」を実物展示した。ハイスペックゲートは、鋼製門扉ならではの高い耐久性・耐候性と、手動でも軽く動かすことのできる操作性も兼ね備えた製品で、今回はスマートフォンで開閉操作ができる新製品「DXゲート」のデモンストレーションを行った。新設だけでなく、既設の電動ゲートでもWi-Fi環境と専用アプリのダウンローシステム化が可能という。

◆利便性追求し事業効率化支援

 スパイダープラスは、タブレット端末で事業効率化を支援するアプリ「SPIDERPLUS」をアピールした。同アプリの特徴である図面管理や帳票出力、電子小黒板機能などを実機を利用して案内した。また、年内に正式販売を予定している専門工事業者向けDXサービス「SPIDERPLUSPARTNER」の展示にも注力した。スマートフォンですぐに利用でき、毎日使う必要がある機能に特化させることで、DXの利便性を体験しやすくしているという。

◆小規模現場で「使える」

 EARTHBRAINは、土配計画の機労材配置や稼働率シミュレーションを行うプログラム「SMARTCONSTRUCTIONSimulation」を展示した。またスマートフォン・タブレットを使って、高精度な計測点群データを生成できる3次元計測アプリ「SMARTCONSTRUCTIONQuick3D」の実例デモンストレーションも実施した。同アプリは国の2022年度基準出来形管理要領に対応しており、小規模土工現場で使用することで1点の加点対象となる。

◆可変型運搬機でスムーズな施工

 アクティオはJFEエンジニアリング、岡谷鋼機と共同開発したプラント建設現場向け運搬機「ECoCa」を展示した。運搬物や現場に合わせて幅と奥行き、高さを調整することでスムーズな施工を実現、3tまでの機器の運搬据え付けも1台で対応できる。横行、四輪操舵、その場旋回の3種類の走行モードを搭載している。現状は無線による操作だが、将来的には完全な自動運転を目指す。

◆自律歩行ロボットにスキャナー搭載

 ニコン・トリンブルは、自社のレーザースキャナーと自律四足歩行ロボットを組み合わせた製品をデモンストレーションした。同社の3Dレーザースキャナーシステム「トリンブルX7」を、ボストン・ダイナミックス社(米国)が製造している自律四足歩行ロボット「スポット」に搭載。スポットとスキャナーのセンサー制御を「フィールドリンク」というソフトに集約することでスポットを全自動で動かしたり、遠隔誘導することができる。スポットは現場内を移動し、点群データを計測。災害現場などでも高い効果を発揮する。

◆オールインワンで生産性向上
 フォトラクションは、建設業向け生産性向上ツール「photoruction」をアピールした。写真管理や図面管理、検査の進捗情報管理、タスクの共有、BIMの閲覧など業務効率化に役立つ機能が集約されており、一つのアプリで完結している点を強調した。同社によると、アプリの導入によって現場での1人当たりの作業時間は月20時間、作業報告にかける時間は99%削減できるという。

◆MR技術を実用域へ
 インフォマティクスは、CAD図面や3次元モデルデータ、BIM/CIMデータを建設現場に実寸大でホログラム表示可能な「GyroEye」を展示した。AR(拡張現実)とMR(複合現実)を組み合わせたシステムで、ヘッドマウントディスプレイを使用することで現場での寸法確認を実現。不具合などの指摘箇所などをハンドジェスチャーや音声で記録できる。出来形管理や点検検査、遠隔支援に効果を発揮する。「MR技術を実用の域にまで落とし込んだ」(同社担当者)と強調した。

◆受発注者間をつなぐ
 助太刀は、発注者と受注者のマッチングアプリ「助太刀」の実機デモを展示した。全国18万以上の事業者が登録し、企業プロフィール情報を掲載することで条件にマッチする職人、協力会社とマッチングできる。法人向けに、より業務に特化したパソコン版も提供している。このほか、建設業界に特化した求人プラットフォーム「助太刀社員」の展示も行った。

◆多彩な機能実現
 ダイテックのブースには施工管理アプリ「現場PlUS」と、契約から支払いまでをクラウドで一元管理できる「注文分譲クラウドDX」の広告が並んだ。現場Plusは写真や図面、工程表の管理に加え、入退場管理、施主への情報公開機能、協力業者の多段承認など多彩な機能が手軽にスマートフォンやタブレットで使用できる。注文分譲クラウドDXは、営業や事業計画、設計施工、経理、経営までをクラウド上で管理でき、受発注管理や社内承認などのペーパーレス化も実現する。



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