【現場の逸品】もう誤切断なし! 関電工が活線ケーブルを自動検知する脱着式センサー開発 | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

公式ブログ

【現場の逸品】もう誤切断なし! 関電工が活線ケーブルを自動検知する脱着式センサー開発

関電工の「脱着式活線ケーブル誤切断防止センサー」

 関電工は、市販のペンチやニッパーなどの工具に取り付ける「脱着式活線ケーブル誤切断防止センサー」の実用化にめどを付けた。電気が流れているケーブルに工具が触れた瞬間、グリップ部の装置が音と光で危険を警告する。ヒューマンエラーの発生を前提にした「後備保護」のツールとして使う。5月に東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれる日本最大の電気設備総合展示会「JECA FAIR 2017~第65回電設工業展~」に量産品を出展し、7月にも一般販売を始める予定だ。
 このセンサーは、三和電気計器(東京都千代田区)と共同で開発を進めている。価格は市販の検電器と同程度とし、4000円ほどになる見込み。
 近年増加しているリニューアル工事では、設備全体を停電させることが難しく、部分停電で作業に当たる。この場合、電気が停止している部分と停止していない部分が存在しており、活線の混在が作業上のリスクとなる。誤って活線を切断してしまうと、本来止めることができない設備だけに、多大な損害・障害が発生してしまう。
 当然、誤切断の防止対策として、綿密な事前調査に基づく計画書の作成や検電器による電圧チェックなどを行っているが、思い込みなどによる人的なミスは完全には排除できない。例えば、切断前には検電を行うが、検電器とペンチを持ち替えるために一瞬目をそらしたことで、違う電線を切ってしまったなどのヒューマンエラーが起きたケースもあるという。
 そこで関電工などは、作業者の意思にかかわらず、工具による一連の切断動作の中で、自動的に電圧の有無を検知するセンサーを開発した。
 現在、グリップ部分に検電器を内蔵するタイプの特許が出願されているが、強度やコストなどの面から製品化には至っていないとみられる。関電工のセンサーは脱着式のため、1つの工具に限定されず、複数の工具に使えるのも大きな特長。
 初弾商品は比較的小型の切断工具用だが、今後はケーブルカッターなど大型工具用の開発も目指す。1、2年後をめどに製品化にこぎ着けたい考え。また、制御電線用の低電圧・直流への対応にも取り組む。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら