清水建設は、完全自動運転技術を導入した施設・街区内移動システムの実効性を検証する実証実験に着手した。実験結果を踏まえて自動運転技術、施設連携技術の高度化を進め、2020年3月までに複合商業施設やオフィス、ホテル、工場・物流施設、キャンパス、病院、交通ターミナル向けの施設内移動システムの構築を目指す。
江東区の技術研究所敷地内に、自動運転のかぎを握る高精度3次元マップを整備するとともに、構内建物群のBIMデータの施設情報と自動運転車両の位置、走行状態などの情報を一元管理する管制・監視システムを開発した。
実験では、管制・監視システムと、ベンチャー企業のティアフォー(名古屋市、武田一哉社長)が開発した自動運転車両の運行管理システムをクラウドサーバーで連結し、自動運転ソフトウェアを搭載した複数の完全自動運転車両が同時走行する。管制・監視システムからの指示に基づく車両の発進・走行制御の実効性を確認するほか、監視カメラとAI(人工知能)画像認識技術を使って車両や人の状況を把握し、走行の安全性を確保する。車両の走行状況に応じてシャッター設備の開閉を自動制御するといった建物設備の自動制御の施設連携実験も実施して技術を検証する。
今後、車両とエレベーターの統合制御技術や歩行者ナビゲーションシステムとの連携技術の開発・実証実験にも取り組む予定だ。