【コルクのBIM/CIMプラットフォーム「KOLC+」】クラウド上にデジタルツイン構築 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【コルクのBIM/CIMプラットフォーム「KOLC+」】クラウド上にデジタルツイン構築

 公共工事のBIM/CIM活用が加速する中、コルク(東京都豊島区、堤正雄代表)が提供するBIM/CIM共有クラウド「KOLC+」(コルクプラス)が注目されている。3次元CADモデルや点群データを統合したデジタルツインをクラウド上に構築し、4D工程表などを活用して関係者間の情報共有を飛躍的に向上させる。大規模点群データを高速表示することも可能だ。国土交通省の業務や工事の情報共有システム(ASP)に活用できるほか、オンライン電子納品に対応するなど電子化のメリットを最大限に引き出すため、ユーザーが拡大している。

BIM4DダッシュボードでBIM/CIM、点群、工程表などのデータを統合して表示する


◆国交省のASPに対応 電子化メリットも
 同社は、国交省がASPを本格化した2012年9月に設立し、10年にわたり自社開発の建設業向け情報共有システムを提供してきた。クラウドでのファイル共有や帳票作成、電子決裁に加え、本格化してきたBIM/CIMに対応するため、2020年11月にKOLC+をリリースした。

 具体的には、BIM/CIMや点群、3次元地図、3次元都市モデル(PLATEAU)などの3次元データのほか、工事写真などの各種工事データや航空写真、現場の動画、boxなどのストレージを統合し、デジタルツインの現場アプリを構築する。4D工程表も含めて現場ダッシュボードの作成も可能となっている。

データ統合のイメージ

◆大容量点群データを高速表示
 KOLC+の3次元CADの対応フォーマットは、Navisworks、Revit、Civil3D、AutoCADのほか、SketchUp、Rhinoceros、LandXML、IFCなどで、オートデスク製品に数多く対応しているのもポイントの一つだ。Revitで作成したBIM/CIMモデルと点群データの統合表示などを高速かつ手軽に行い、同じ座標系であれば位置合わせを自動的に行うこともできる。

点群と3Dモデル表示


 さらに、Navisworksのタイムライナー設定から4D工程表を自動生成し、KOLC+上で施工ステップを活用する。スライダー操作で直感的に工程をシミュレーションできるなど、高度な操作性を実現した。堤代表は「オートデスクのアプリで生成したBIM/CIMモデルをオリジナルデータのままクラウド上で他のデータと統合利用できるため、出力の手間が省ける。データ変換の際に情報が欠落することもない」とメリットを挙げる。
 もう一つの特徴は、1ギガバイト以上の大規模な点群データでも画面上で動作が止まることなく高速表示できる点だ。「点群のような大容量データを扱う際、パソコンのモニターに映る部分だけを表示する技術により、スピーディーな操作を可能にした。快適な操作性を多くのユーザーに評価していただいている」という。
 ユーザーから寄せられた声を積極的に機能開発に生かしているのも同社製品の大きな特徴だ。「KOLC+のユーザーにはBIM/CIMをけん引するフロントランナーが多い。そうしたユーザーからいただくリクエストには、製品をブラッシュアップする上で貴重な意見が多く含まれている」と指摘する。同社には100件以上ものリクエストが寄せられている。その中でも「業務インパクトが大きい」と思う機能から優先順位を付けて開発を進め、週単位など早い頻度で更新することで、KOLC+の機能を進化させてきた。
 セキュリティーに関しては、国交省の「受発注者間の情報共有システム機能要件」に対応しているほか、国際的なセキュリティー規格ISO27001(ISMS)認証を取得している。さらに、日本国内のデータセンターを利用することで高度な安全性を確保した。

 サービスプランは、受発注者間の小規模な情報共有向けの「無料プラン」、シンプルな情報共有や大容量ファイルの共有に使う「ライトプラン」、BIM/CIM案件での3次元CADや点群データの共有に適した「3Dプラン」の三つに整理した。ライトプランは月額1万5000円(税別、以下同)、3Dプランは3万円から提供し、他社製品に比べて安価に設定した。「料金体系をシンプルにし、選びやすくすることで導入までのリードタイムを短くするのも生産性向上の一部だ」と考えている。
 今後に向けて堤代表は「機能は日々進化しているが、料金は据え置きでサービスを提供している。開発を最優先に取り組んでいるため、新しい機能に期待してほしい」と力を込める。



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