【EXPO2025】未来社会を見据えたイノベーション創出へ 夢洲実証実験の概要② | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【EXPO2025】未来社会を見据えたイノベーション創出へ 夢洲実証実験の概要②

 2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所は、夢洲(大阪市此花区)における実証実験の公募で、9件を実施候補として選定した。万博開催の機運醸成と未来社会を見据えたイノベーション創出に向けた9件の事業者と内容を3回に分けて掲載していく。今回は「マイクロコミュニティを実現するスマートポール実証実験」「グリーンインフラの高度化に関する実証実験」「Drone Entertainment & Advertising Experiment」を紹介する。
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■マイクロコミュニティを実現するスマートポール実証実験
 代表者は関西電力で、エネゲート、日本ネットワークサポート、ダイヘンが共同参加する。

イメージ図


 環境に優しいエネルギーを用いて、安全で安心して豊かに暮らせる価値を身近に提供する空間の「マイクロコミュニティグリッド」実現に向けた実験を行う。具体的には、太陽光による発電や、通信・照明・防犯などの機能を備えたスマートポールを開発し、これと連携するドローンによる防犯機能、見守り機能を実装することで、各機能の有効性を検証する。

 実験体制は、関西電力が実験全体の企画、参加企業の調整、工程の管理、ドローン飛行実験を担当。エネゲートと日本ネットワークサポートは、スマートポールに搭載する各種機能を設計・開発・試作し、搭載機能の有用性や耐候性を検証する。ダイヘンはドローンポートの非接触充電機能の組み込みや機能検証を実施する。

■グリーンインフラの高度化に関する実証実験
 代表者は住友林業で、住友林業緑化が共同参加する。

実証実験図


 実験では、気候変動による緑化植物の被害を抑制する技術を実証する。具体的には▽都市部の街路樹を想定した薄い土壌厚への対応▽雨水や潅水の余剰水の利用▽耐潮性のある植物の実証–の3項目に取り組む。

 一般的に耐潮性があるとされている14種の植物を1.5m×0.5mのトレーに1本ずつ植栽する。これを3回繰り返し、3カ所設置する。トレーには貯水機能があるが、1週間以上降雨がない場合は、軽トラックにタンクを積み込んで潅水する。

 実験成果は都市部の街路樹や公園整備、25年日本国際博覧会における会場整備にも利活用する考えだ。

■Drone Entertainment&Advertising Experiment
 代表者はセブンセンスで、スマートメディア、ハイブリッドコンサルティングが共同参加する。

 ドローン、AR(拡張現実)、XR(仮想現実、拡張現実、複合現実技術の総称)、ホログラムと、新しい技術が出てきている中で、新たな空のエンターテインメントや広告コミュニケーションなど、空の産業革命が必要になる。国内での使用実績が少ないドローンコンテンツを実証実験することで、エンターテインメントや広告表現の可能性を確認・検証する。

 実験では、国内最大規模のドローン1000台を利用したショーの実施を想定。コロナウイルスに打ち勝ち、よりよい未来へ進んでいくストーリーショーを実演するほか、円滑なドローンショーやドローン公告の実用的な運用に向けて、航空法などの各種法規制について各関係所との連携を図る。



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