【記者座談会】2019年3月期第2四半期決算出そろう | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【記者座談会】2019年3月期第2四半期決算出そろう

A 大手・準大手ゼネコンの2019年3月期第2四半期決算が出そろった。
B 26社中19社の営業利益が前年同期を下回った。単体の完成工事総利益(工事粗利)率も低下傾向にあるが、17社が10%超を維持している。利益の減少は、ピークだった前年同期の反動が主な要因で、利益水準は「低くない」という見方が大半だ。工事粗利率も18社が前年同期を下回ったが、17社が2桁台を維持しており、「前年同期が良すぎた」との声も上がっている。資材・労務費の上昇など、工事粗利率の下降要因はあるが、各社とも通期業績予想に織り込み済みだ。工事が進む下期にかけて、期初には想定が難しい設計変更や追加工事の確保による利益の上昇を狙うとみられる。総じて今期の業績については、楽観的な見通しが強くなっている。
C 受注は10社が前年同期を下回った。鹿島が「全体の受注のうち、上期が4割、下期が6割と見込んでいる」とするなど、下期の出件を見込む企業が多いほか、清水建設が「繰り越しの水準が非常に高い」、大林組が「前期末の土木の受注が非常に多く、技術者のキャパシティーから第2四半期の土木受注が減少した」と、繰越工事量とのバランスを見ながら受注活動を展開しているため、増減が入り交じっている。

ゼネコン大手・準大手クラスは、26社中17社が工事粗利率10%超を維持した

設備の受注高は堅調、建機が増収増益

A 設備工事会社の業績はどうだったかな。
D 電気設備大手5社のうち、4社の受注高が前年同期実績を上回った。受注環境は堅調だ。ただ、材料費と労務費の上昇が広がり、大型新築案件の採算に厳しさがでていることから、利益率が低下する傾向が見え始めつつある。
E 空調設備大手も6社のうち5社の受注高が伸びている。半導体関連などの製造業や物流施設関連の設備投資が活発なことが要因だ。豊富な手持ち工事の消化と新規受注を背景に5社が増収となった。通信設備大手3社はいずれも増収だった。3社は経営統合の実施によって通期の業績予想を修正した。統合効果を反映し受注高、売上高とも大きく伸び、3社とも2桁台の増収増益の見込みだ。
A 道路舗装会社の業績は。
F 道路舗装大手8社の決算は、独占禁止法違反による営業停止などの影響で、全社の受注高が前年同期を下回り、8社中7社は前年同期比で2桁の減少となった。売上高は受注減の影響で減収となった会社もあるが、手持ち工事の消化を順調に進めたことなどで鹿島道路、日本道路、東亜道路工業、世紀東急工業、大成ロテックの5社は増収となった。製造販売の売上高は、世紀東急工業と東亜道路工業を除く6社で減少した。利益面も各社で減少傾向が目立つ。NIPPO、前田道路、大林道路、大成ロテック、鹿島道路、東亜道路工業は原料価格の高騰を主な要因に挙げている。
A 資機材メーカーはどうかな。
G セメント大手4社のセメント事業は全社が増収だった。台風など天候の影響はあったものの、東京五輪関連工事や再開発工事、北陸新幹線延伸工事など堅調な需要により、前年同期並みの販売数量を確保した。ただ、利益面は引き続き石炭価格の高騰が響き減益傾向となっている。
H 建機メーカー大手4社はいずれも増収増益だった。国内の売上高は減少しているが、需要が旺盛な北米や中国で大きく伸ばしている。通期予想も海外の需要増加などを見込み、3社が期初から上方修正している。

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