竹中工務店は、吉野石膏(東京都千代田区、須藤永作社長)と共同で、せっこうを主成分に天然鉱物を添加した無機材料からなる放射線遮蔽(しゃへい)ボード「RadBoard-X」を開発した。主にガンマ線、エックス線に対して優れた遮蔽性能を発揮する内装材で、放射線治療を実施する高度先進医療施設や最先端の研究施設の壁、天井、床面に適用でき、一般のせっこうボードと同様に内装工事としての施工にも対応する。市販の遮蔽材である鉛ボードなどに比べ、環境に優しい天然素材で構成しており、分別処理せずにリサイクルが可能だ。
一般のせっこうボードと同様の施工方法で施工が可能だ。不燃材料なので、幅広い内装制限に対応できる。重ね貼りすることにより、さまざまな遮蔽仕様に応じて対応することも可能だ。また、ガラス繊維を混入し補強したせっこうと高濃度の重晶石を芯材とし、その表・裏面の内側それぞれにガラス繊維不織布を伏せ込んだ紙のないせっこう板で、従来のせっこうボードと比べて、格段の柔剛性と粘り強さを持つ。
主な製品仕様は、寸法が厚さ15mm、幅910mm、高さ1820mmで重量は約47㎏。性能は、エックス線管電圧100kVに対して、鉛当量1.5mm。曲げ破壊荷重は、長さ方向に対して500ニュートン(N)以上、幅方向に対して180N以上となっている。
今後、ガンマ線、エックス線遮蔽が求められる医療関連施設や、放射線関連施設の新築・リニューアル工事に、積極的に提案していく方針だ。