環境省は21日、皇居外苑をライトアップする照明設備の完成を記念した点灯式を開いた。皇居の美観や静穏性の維持、歴史的遺構への配慮、貴重な生態系の保全、低環境負荷と低炭素化の実現などの観点に立って、桜田門や和田倉門、楠公像などを常設でライトアップする。2020年東京五輪開催を控える中で外国人観光客などに向けて、日本の顔として皇居外苑の魅力向上を図る狙いだ。
照明設備の設計・管理は石井幹子デザイン事務所、施工はきんでんが担当した。石井幹子氏は「静かな照明にしたい、日本の明かりの文化を世界に発信したい、首都東京の自然を大切にしたい、最先端の光技術を活用したい」という4つのデザインコンセプトを説明。「大手町、有楽町、丸の内という大きな敷地を照らしながら、電気代は全域で1時間当たり1279円と、経済的で環境にも優しい設計になっている」と省エネにも配慮していることをアピールした。
新設した照明設備は門や石垣をライトアップする投光器が70基、楠公像や樹木を照らすアップライトが116基、線状のLED照明を足元に設置したボーダー照明が1728基(3200m)、ボラード照明が74基。整備事業費は約18億円。