【錢高組・JFEミネラル】浸出水濃度10分の1 新開発の重金属吸着マット | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

公式ブログ

【錢高組・JFEミネラル】浸出水濃度10分の1 新開発の重金属吸着マット

 錢高組とJFEミネラルは、フッ素対応の重金属吸着マットを開発した。鉄系吸着材を採用し、実証実験で盛土の浸出水の濃度を抑えることを確認した。フッ素を含むずりやフッ素汚染土壌の仮置き時の敷設シートとして適用を検討する。将来的には二重遮水工法に代わる封じ込め工法としての普及を視野に入れる。

重金属吸着マットの外観と構造

 重金属吸着マットは吸着層工法と比べて均質性や施工性に優れ、設置費用も抑えられるが、ヒ素を対象とした従来の重金属吸着マットではフッ素への対応が不十分だった。
 新たに開発したフッ素用重金属吸着マットは、鉄系吸着材と粒度調整材による充填剤をフェルト系シートで挟んで構成する。
 実証実験では幅1m、長さ2m、厚さ3cmの重金属吸着マットを2枚敷設し、その上にフッ素を含んだずりで盛土をつくり、重金属吸着マットを敷設しない盛土と浸出水のフッ素濃度やヒ素濃度を比べた。
 さまざまな降雨条件での吸着効果を測定するため1年間にわたりモニタリングした。その結果、重金属吸着マットを通過した時の浸出水濃度は地下水環境基準を満たし、マットを敷設しない場合と比べ濃度を10分の1程度に抑えることを確認した。
 実証実験は3月まで実施する。乾燥の影響による浸出水のフッ素やヒ素濃度の変化への対応を確認し、2020年の本格展開を予定している。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら