【多摩都市モノレール延伸】6年間で都計と設計を 町田市が25年度事業化目指す | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【多摩都市モノレール延伸】6年間で都計と設計を 町田市が25年度事業化目指す

 多摩都市モノレールの延伸を進める東京都町田市は、今後6年で都市計画決定などの手続きを終え、2025年度の事業化を目指す。市担当者は「用地買収にかなりの時間を要するだろう」と見込み、「事業化までの期間に設計着手まで盛り込みたい」という。市は19年度、道路計画がない区間を中心に、想定ルートのブラッシュアップに向けた調査・検討作業を進める。モノレール町田方面延伸の総事業費は約1700億円。市は延伸による新駅周辺の地域活性化に期待し、それらの調査・検討を同時に進めていく。

営業中の多摩都市モノレール (上北台~多摩センター駅)

 市は、石阪丈一市長が意欲を示す32年度開業に向けて、事業化までを6年間、それ以降を8年間と想定して検討する。
 延伸事業は、国土交通相の諮問機関である交通政策審議会が16年4月にまとめた答申で「事業化に向けて具体的な調整を進めるべき」に位置付ける。これが“延伸決定”になるには都市計画決定などの手続きが必要になる。市担当者は6年間のスケジュールについて「導入空間を確保している区間以外の整備にめどを付けたい。事業費の負担割合や整備の役割分担もその期間を目標とする。施工計画は未定だが、用地取得と建設工事に専念するため、設計も(6年間に)盛り込むことになるのではないか」と見込む。
 市は19年度、土地の状況などルートを設定する上で必要な基礎資料を収集するため、コンサルタント業務の委託を予定する。
 モノレールは軌道桁や支柱など基本的なインフラ部分は「道路構造物」扱いになるため、路線直下に導入空間となる幅25mの都市計画道路必要となる。市が想定するルートは、多摩センター駅(多摩市)から南進して町田駅(町田市)までの約13㎞。このうち空間を確保しているのが約7㎞、道路はあるが幅の検討が必要な区間が約2㎞、道路計画はあるが整備未着手の区間と道路計画自体がない区間がそれぞれ約2㎞ある。
 市は、促進協議会を立ち上げ機運醸成活動を展開している。「延伸事業の基本的な主体はあくまで東京都。市はモノレールをどのようにまちづくりに生かすかを考えなければいけない」(市担当者)という。