【内装向けタイル】調湿や消臭の機能性タイルを大型施設にも! LIXIL「エコカラット」 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【内装向けタイル】調湿や消臭の機能性タイルを大型施設にも! LIXIL「エコカラット」

エコカラットシリーズの中で光の当て方や向きにより表情を変える「ニュートランス」

 公共・商業施設や集合住宅、オフィスビルの内装向けのタイルが続々と登場する中、LIXILは室内の調湿性能に加え、消臭や有害物質吸着効果がある防汚性能をもつ機能性タイル『エコカラット』の売り込みに力を注ぐ。これまで同社の非住宅向けタイルは床や外壁向けが中心だったが、近年は素材が多様化したことを受け、市場全体が縮小したこともあり、室内用タイルの品揃えを拡充し、需要開拓に乗り出した。
 「ホテルやトイレ空間には、特に内装壁タイルのニーズが見込める」と、小堀誠LIXILウォーターテクノロジータイル事業部タイル商品部長は説明する。室内の残留臭予防やトイレ空間の清潔感を保つため、機能性タイルの導入が有効だという。「床面積の4分の1の面積に機能性タイルを張れば、十分な性能が発揮できる」(小堀部長)。ベッドサイドの装飾や腰壁としても導入が可能だ。

洗面・トイレ空間の施工例

 機能性タイルは、トイレのアンモニア臭や有害物質を吸着するもの、保温性能が高いものなど多彩。いずれも焼成する際にできる微細な孔が、それらの効果を発揮している。孔サイズは1-10ナノm。湿気の分子は0・4ナノmで自由に出入りできるが、水や汚れの分子は1ナノmよりも大きく、孔を通過できない。熱伝導率の小さい「サーモタイル」は、内側に気泡を多く含ませ、急激な温度変化を抑える機能を持たせた。施設の浴室床などに適しているという。
 屋内向けの機能性タイルを販売展開する上で、デザイン性も見直した。マンション室内やトイレ空間向けに要求が強い白い壁タイルは、光の当て方で繊細に表情を変える。開発の際には照明会社と協力し、照明の明るさや色、当てる角度によってどうタイルの見え方が変わるかを検証した。
 「特にマンションやビルのエントランス空間用の大形タイルは、大面積に張った際の見栄えが重要」と小堀部長は説明する。天然石や天然木風の「大形床タイル」は一見してタイルに見えないほど再現性が高い。別のシリーズではコンピューター制御で表面をプレス成形し、釉薬(うわぐすり)の柄をランダムに変えて不連続性を持たせた。
 エコカラットは高性能な製品も含め、全28シリーズに達する。東京都新宿区のLIXILショールーム東京には、プロユーザー向けにタイル建材の紹介スペースがある(一般には非公開)。同社は非住宅向けの営業を強化するほか、設計者らに手で触れてタイルの良さを知ってもらう地道な活動も展開する。

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