第175回建築家フォーラムが、東京都墨田区の大光電機両国ビルで開かれた。建築家の原田真宏氏(マウントフジアーキテクツ、芝浦工大教授)が「第二の自然としての建築」と題して、デビュー作から近作まで一貫して取り組んできたテーマを紹介した。
デビュー作の『XXXX HOUSE』以降、「複雑な事象を解決する単純な幾何学」を求め、「社会の合理性を自然の合理性の中に位置付ける」第二の自然としての建築を追求。地域の気候をデザインソースとした『rainy/sunny』、実現しなかったものの『ART SITE』では、エコでローカルな建築という命題に対し、地表を掘って配筋し、コンクリートを流し込む地球型枠工法を提示。「デザインのファクターとしてクライアントがあるからこそ、建築にはまだまだ可能性がある」と、形態を導く過程でクライアントのニーズが欠かせないとした。
地域から取り込んだもので成立させた『道の駅ましこ』では、「建物を通して地域の風景の素晴らしさに気付いた」という地元の人の声を受けて、「第二の自然に近づけたのではないか」と振り返った。