【コモレビズ】オフィスを緑化して快適空間創出! パソナ・パナソニックビジネスサービス | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【コモレビズ】オフィスを緑化して快適空間創出! パソナ・パナソニックビジネスサービス

 働き方改革や知的生産性向上の実現に向けて健康経営への関心が高まる中、パソナ・パナソニックビジネスサービス(大阪市、青山光洋社長)は、自然を生かしたオフィス空間の提供に力を入れている。同社が手掛けるオフィス緑化サービス「COMORE BIZ(コモレビズ)」は、視界に入る最適な緑量に焦点を当て、効果的に植物を配置することで、従業員のストレス低減につながる快適な執務空間を構築する。サービスの強みとなるエビデンス化・デザイン化・見える化を軸に、導入のさらなる加速を狙う。

植物と緑量は独自のアルゴリズムで最適化

 コモレビズは、オフィスに自然を取り入れることで人間にとって最適な環境へと近づける「バイオフィリア」の考えをベースとし、2017年から提供を始めた。植物に加え、自然音や香りなども含めたデザイン性の高い空間を設計する。これまで大型案件の採用実績は10件ほどに上る。
 快適なオフィス空間を構築するサービスの分野では、什器メーカーなどが先行していたため、事業化に当たって鈴木章太郎事業推進・支援本部企画部事業開発チーム事業開発マネージャーは「後発としてどう市場に参入すべきか」を模索した。その際、ストレスと植物の関係について研究を進めていた松本博豊橋技術科学大学名誉教授と日本テレネット(京都市)からの要請がきっかけとなり、コモレビズは本格始動した。鈴木氏は「応接室や受付などに植物を置くことは多かったが、執務空間に働き方改革の観点で自然を取り入れることは意外と少なく、そこに着目した」と語る。
 コモレビズの特徴は学術的な根拠に基づいた空間設計の実践だ。視界に占める緑の割合を示す「緑視率」の最適解は10-15%という松本教授の研究結果から、独自のアルゴリズムを活用し、コストを抑えた効果的な植物の配置を提案する。
 さらに植物の画像分析や在室者の生体分析などから、ストレス軽減に効果が高い植物と低い植物をデータベース化した。それぞれのツールを駆使しつつ、オリジナルプランターなどでデザインを確保しながら、各オフィスにとって最適な植物と緑量を導き出し、快適な空間を創出する。
 実証ではコモレビズの採用により、植物がない状態と比べ、11%のストレス軽減効果を確認した。自然環境音も付加することで、その効果は24%まで高まることも示した。
 空間設計に加えて、従業員のストレス度などを見える化するソリューションも提供する。従業員には生体分析で自律神経のバランスを測定しつつ、アンケートで居室の満足度やストレスに関する主観を調査する。分析結果はポータルサイトで閲覧できる。

ポータルサイトで従業員のストレス度を閲覧できる

 ストレス推移の見える化により、企業は離職や業務効率低下の対策を、従業員はストレス低減の予防をそれぞれ講じることが可能となる。
 サービス発表当初は単にオフィス移転やレイアウト変更に伴う問い合わせが多かったが、最近では健康経営への関心の高まりから従業員のストレス度の見える化に向けた導入の検討が増えているという。導入した企業からはリクルートやブランディングでの効果を期待する声も上がっており、鈴木氏は「サービスが本来目指しているところに徐々に近づいている」と手応えを語る。
 サービスの競争力をさらに高めるため、今後は植物、音、香りに加え、気流や照明、自然光などの要素も取り入れた空間設計を目指す。また、見える化ではスマートフォンのカメラや非接触型のセンシング技術などを活用した生体分析を検討しており、鈴木氏は「アンケートは顧客にとって負荷がかかるので、将来的には生体分析だけにしていきたい」と説明する。

植物や音、香りでストレス低減に効果のある空間をつくる

 米国のアマゾンやグーグルといった先進企業では、すでに自然を取り入れるバイオフィリックデザインに則ったオフィスに移行しつつある。鈴木氏は「そうした流れは日本にもやってくる」と国内での市場拡大を見据えつつ、「その時にきちんとサービスを提供していきたい」と力を込める。

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