パソナ・パナソニックビジネスサービス(大阪市、青山光洋社長)は、健康経営ソリューション「COMORE BIZ(コモレビズ)」をさらに進化させる。トヨタ自動車との共同研究に着手し、植物と共生する空間が人間に与える効果を解明する。研究成果を基に、2020年代前半までに、より高度な科学的検証をベースとした「コモレビズ2.0」の提供を目指す。
トヨタ自動車との共同研究では、植物と共生する空間が人間にもたらす効果の解明に向けた研究に取り組み、バイオフィリックデザイン空間の定量的な設計指針の確立を目指す。植物が人に与える柔らかさや温かさなどの主観的な指標を定量的に評価し、その相関関係の見える化を進めるとともに、「あたかも自然の森林の中にいるように感じられる」空間設計を定量評価する手法を開発する。
共同研究ではバイオフィリックデザイン空間が人に与える影響の評価の確立もテーマとする。バイオフィリックデザイン空間が、ストレスや疲労の感じ方などでどのような効果を与えるか、主観的指標や心拍データ、ストレス試験などで評価する。
既にトヨタ自動車未来創生センターの太陽光型環境制御温室を活用し、バイオフィリックデザインに基づいた複数の実験空間を製作した。集中力や活力の向上、疲労感軽減を期待できる植物群を導入し、実証実験を進めていく。
パソナ・パナソニックビジネスサービスの岩月隆一副社長は、「トヨタ自動車の持つ研究の知見とコモレビズがオフィス向けに培ってきたナレッジの融合により、人と植物が共生する空間要素の科学的解明につなげ、未来に向け新しい空間価値を見い出したい」と述べる。
トヨタ自動車未来創生センターの川口俊哉センター基盤研究室長も「これまでに培ってきたバイオテクノロジーなどの知見も生かしながら、パソナ・パナソニックビジネスサービスの空間づくりの技術とのシナジーにより、新価値創造の基盤技術を確立できることを期待している」とコメントした。