【土木学会関西】2018年度支部技術賞に5件選定 技術の「新しさ」など総合的に審査 | 建設通信新聞Digital

4月24日 水曜日

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【土木学会関西】2018年度支部技術賞に5件選定 技術の「新しさ」など総合的に審査

 土木学会関西支部は、2018年度支部技術賞の審査結果を発表した。技術賞5件、同賞部門賞2件の計7件が選ばれた。表彰式は5月9日、建設交流館(大阪市)で開かれる第92回支部総会にあわせて行う。
 同賞は土木技術者の育成を目的に1982年度から開始した。プロジェクトの規模の大小にかかわらず、独創性や独自性など技術の「新しさ」を始め、汎用性、応用性、困難の克服度や地域への貢献度などを総合的に審査している。
 18年度は16件の応募があった。選考は委員長の鶴田浩章関大環境都市工学部教授ら15人の委員が担当した。総合的に優れた技術賞5件のほかに、選考基準の一部で特に優れた評価を得た2件を技術賞部門賞に選出した。
 受賞した工事と受賞者、理由は次のとおり((1)受賞者(2)選定理由)。

 〈技術賞〉
 ▽JR総持寺駅新設と付帯する架道橋改築=(1)JR西日本、大鉄工業、ジェイアール西日本コンサルタンツ(2)JR京都線の新駅設置で安全と品質を確保する取り組みや民家・線路への影響を軽減する構造計画採用、ホームドア導入、地域に溶け込む駅デザイン、ICT技術の活用などで道路・鉄道の安全性向上を実現。
 ▽下小鳥ダム貯水池の濁水長期化問題解消のための表面取水設備の新設=(1)関西電力、東洋建設(2)濁りの少ない表層の水を取水する設備を新設する工事で、発電所の電力供給力に影響しないよう主に厳冬期に施工。国内最大級の大断面円筒形掘削やケーソン工法の採用により省力化と工期短縮も実現した。
 ▽南海トラフ巨大地震対策緊急5箇年事業完成=(1)大阪府西大阪治水事務所(2)対策工法選定の早期決定や品質管理・施工監理の強化などにより対策事業を短期間で実現させた。
 ▽牧町天空大橋の施工―非対称張出し架設曲線橋の上下部一体工事=(1)近畿地方整備局大戸川ダム工事事務所、川田建設(2)国内有数の支間長をもつ非対称・曲線張出し橋で、汎用性の高い既存要素技術を組み合わせ、より高耐久なプレストレスト橋を構築。
 ▽リニューアル工事における通行止期間を短縮させる合成桁のRC床版撤去技術=(1)阪神高速、飛島建設、第一カッター興業(2)高速道路供用下で床版撤去工事の一部を実施。通行止期間を短縮させることにより社会的な影響を最小限にとどめた。

 〈技術賞部門賞〉
 ▽3次元レーザースキャナを搭載したUAVによる地形測量について=(1)近畿地方整備局豊岡河川国道事務所(2)最先端技術を用い、要求精度を満たしつつ大幅な工程短縮も実現。設計作業の省力化や数量算出の精度向上にもつなげた。
 ▽二級河川芦田川河川改修事業(二層河川区間の完成)=(1)大阪府鳳土木事務所(2)治水機能と親水性を高めることができる二層河川方式を採用。安全性が高く、地域住民が集える空間創出を実現した。

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