【土木学会関西】2019年度支部技術賞 技術賞に4件 技術の「新しさ」、地域への貢献度などを審査 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【土木学会関西】2019年度支部技術賞 技術賞に4件 技術の「新しさ」、地域への貢献度などを審査

 土木学会関西支部は、2019年度支部技術賞の審査結果を発表した。技術賞に4件、同賞部門賞として2件が選ばれた。表彰式は5月15日、建設交流館(大阪市)で開かれる第93回支部総会にあわせて行う。19年度は8件の応募を集め、選考は委員長の杉浦邦征京大大学院教授ら15人の委員が担当した。技術賞4件のほか、選考基準の一部で特に優れた評価を得た2件を技術賞部門賞に選出した。同賞は土木技術者の育成などを目的に1982年に創設。独創性や独自性など技術の「新しさ」を始め、汎用性や応用性、困難の克服度や地域への貢献度などを総合的に審査している。 
 受賞した事業と受賞者、理由は次のとおり((1)受賞者(2)選定理由)。
 
 〈技術賞〉
 ▽「開かずの踏切」が開く40年の取り組み=(1)JR西日本、大阪市建設局、大鉄工業、ジェイアール西日本コンサルタンツ(2)長年懸案だったJR東淀川駅近傍の北宮原踏切・南宮原踏切について駅の橋上化・立体横断施設整備と組み合わせ踏切を除却。安全性と利便性を高め地域分断を解消した。

「開かずの踏切」が開く40年の取り組み


 ▽官民一体による奈良県天川村における長期的なダム堆砂処分地確保の取り組み=(1)関西電力、大林組(2)奈良県天川村と関西電力が相互の強みを最大限生かし短期間で整備計画を策定。急傾斜地における進入道路の施工など技術も優れていた。

官民一体による奈良県天川村における長期的なダム堆砂処分地確保の取り組み


 ▽三大水門の津波対策補強=(1)大阪府西大阪治水事務所(2)安治川・木津川・尻無川の3水門の津波対策として補強を実施。工事中の仮締め切りは強固で転用可能な構造を採用、狭小部での起重機船作業を工夫したことなどが評価された。

三大水門の津波対策補強


 ▽台風で損傷した鳴尾橋の復旧=(1)兵庫県西宮土木事務所、三井E&S鉄構エンジニアリング(2)18年台風21号で損傷した橋桁を困難な施工条件の中、安全で確実に橋桁を撤去架設し、早期復旧を実現した。

台風で損傷した鳴尾橋の復旧


 
 〈技術賞部門賞〉
 ▽安威川ダムにおける基礎岩盤の確認手法について=(1)大阪府安威川ダム建設事務所(2)ダム基礎岩盤のグラウチングによる透水性改良に当たり、ダムの岩盤で割れ目の風化と狭在物の有無が透水性に関係することを確認、基礎岩盤確認の新たな基準を確立した。
 ▽京阪本線宇治川橋梁における最適洗堀対策工の設計と施工=(1)京阪電鉄(2)さまざまな制約のもと万全な設計と施工で工事を安全に完了、他の事業の参考となった。

 
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