【大成建設】建物内の画像が図面に! 計測時間を大幅に短縮させる技術が登場 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【大成建設】建物内の画像が図面に! 計測時間を大幅に短縮させる技術が登場

 大成建設は、パノラマ画像から既存建物内を効率的に図面化する「T-SiteviewDraw」を開発した。全天球カメラで撮影した画像を基にパソコンで寸法を計測し、図面を作成できる。現地作業は写真撮影と簡単な計測のみで済むため、現地で計測する従来手法と比べ作業時間を3分の1から5分の1まで短縮。オフィスやテナントなどのリニューアル工事の現地調査を効率化する。

360度パノラマ画像(左)をキュービックパノラマ画像に変換し、パソコン上で計測作業が可能に

 T-SiteviewDrawは、既存建物内の工事予定個所を全天球カメラで撮影し、基準寸法を計測するだけで現地調査が完了する。従来は約1日かかっていた現地での計測作業が不要となり、作業時間は1時間程度で済む。計測漏れも防ぎ、再調査の手間を省ける。
 撮影した360度パノラマ画像は、上下左右前後の6枚の正方形画像に分割し、正六面体に組み立てたキュービックパノラマ画像に変換。魚眼レンズによる画像の曲線を直線に補正する。
 変換した画像は寸法計測ソフト「PanoMeasure2」を使い対象物の起点と終点を取得できる。独自の補正機能で誤差は最大5%程度まで抑えられる。取得した座標から2-3日程度で現況のCAD図面を作成できる。
 これまで脚立などを使っていた高所の計測も不要で、安全性の確保につながる。小規模な調査は1人で計測できるため、省人化によるコスト削減も実現する。
 適用に当たっては画像を基にした寸法計測、CAD図面化を図面作成会社が担当することで、作業所は現地の写真撮影のみで済む。
 同社は、既に既存建物の現地調査で適用を進めており、リニューアル工事の効率化を図っていく。

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