【発注者遠隔臨場にも対応】施工情報を"データ基盤"に集約化 大成建設「T-iDigital Field」 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【発注者遠隔臨場にも対応】施工情報を”データ基盤”に集約化 大成建設「T-iDigital Field」

 大成建設は、カメラ映像やIoT(モノのインターネット)データを活用した現場管理システム「T-iDigital Field」を開発した。現場を俯瞰(ふかん)する定点カメラからの映像や現場職員のウェアラブルカメラの映像を“データ基盤”に集めることで関係者が現場の施工状況をリアルタイムに共有。現場管理の一層の効率化につなげることが狙い。

システム概要図

 現場を俯瞰する定点カメラからの映像や作業状況を映し出すウェアラブルカメラの映像だけでなく、建設機械の位置情報やコンクリートの打設状況(進捗状況)など各種のセンサーによって得られるIoTデータを集約する“データ基盤”となる。
 映像や取得データを作業所に設置したモニターやPC・スマートフォンなどにリアルタイムに可視化することで、関係者の情報共有を促進。「いつでも」「どこでも」「すぐに」現場の施工状況を確認できる環境をつくりだす。施工情報を可視化することで、遠隔地からでも効率的かつ的確な現場管理が実現できる。
 背景には、3月に試行要領を策定するなど、現場管理を効率化していくための手段として、段階確認や材料の確認、立会を必要とする作業の確認にカメラ映像による“遠隔臨場”の導入を打ち出した国土交通省の動向がある。
 同社は香川県が発注した椛川ダム建設工事を実証フィールドに現場を俯瞰する定点カメラやウェアラブルカメラの映像、コンクリートの打設管理システムといった施工支援のためのアプリケーションで構成する「T-iDigital Field」を導入。発注者による立会検査への適用性やコンクリートの打設管理など現場管理に対する有効性を検証した。
 ボーリング作業の検尺に映像データに基づく遠隔臨場(立会検査)を実施した結果、カメラ映像で施工状況を一括して把握することにより、例えば、発注者の現場への移動時間(1時間)や、立会検査のために現場サイドが行う調整時間の削減など一定の有効性が確認されたという。

遠隔立会

 カメラの映像やデータを活用することで、コンクリートの遠隔での打設管理など現場管理の効率化にも有効に機能することを確認した。
 今後も継続して「T-iDigital Field」に組み込む施工支援のアプリケーションを拡充していくことで、さらなる現場管理の効率化と生産性の向上を狙う。

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