【森トラスト】新たな価値創造を スタートアップ企業3社と次世代型リゾートの実現目指す | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【森トラスト】新たな価値創造を スタートアップ企業3社と次世代型リゾートの実現目指す

 森トラストが、新たなイノベーション創出に向けてスタートアップ企業との協業を進めている。3月には協業を検討するスタートアップ企業3社を選定したが、その過程では公開コンペ方式というユニークな手法を採用した。今後は3社との連携事業を検討しながら、「ラフォーレリゾート修善寺」(静岡県伊豆市)を舞台として、リゾートならではの非日常とIT技術などを活用したサービスを提供し、次世代型リゾート「Creative Resort」の実現を目指す。

ラフォーレリゾート修善寺


 森トラストの狙いは、スタートアップ企業が持つ革新的な技術やサービスと、自社の経営資源やネットワークを掛け合わせることによる化学反応だ。未来を見据えた新たな価値創造につなげたい考え。
 同社がスタートアップ企業などを対象にビジネスプランの募集を開始したのは昨年11月。その後、約50件の応募の中から書類審査などで6社を選抜し、3月に都内のホテルで開いた「Future Accelerate Program最終審査会」で各社がプレゼンテーションした。

伊達社長

 プレゼンの結果、協業に向けた実証実験の実施や本格導入を検討する「Let’s Try賞」としてアクアビットスパイラルズ(東京都港区)、div(ディブ、渋谷区)、ユニロボット(渋谷区)の3社を選定し、このうちアクアビットスパイラルズは最優秀の「Creative賞」を受賞した。
 アクアビットスパイラルズは、モノと情報をつなぐ次世代の情報配信プラットフォームを提供する企業で、「施設各所に置かれた端末から、スマートフォン上で気軽に情報が受け取れるサービス」を提案した。プレート端末にスマートフォンをかざすだけで、情報やサービスを多言語で提供するシステムだ。例えば、曜日や時間帯、行き先に応じた観光情報などを入手できる。
 一方、ホテルの客室内では、Wi-Fiパスワードやレストラン情報などを伝える。スマートフォンによる宿泊客アンケートなどでクレームが発覚した場合は、電子メールやチャットで速報して即時対応を可能にする。萩原智啓CEO(最高経営責任者)は「人がクリエイティブであるためには、情報に惑わされないことが必要だ。人が情報にもてなされるリゾート体験を実現したい」と語った。
 divは、プログラミング研修などでテクノロジースキルを身に着け、世界で活躍する人材の育成を行う。プレゼンでは、「リゾートでの余暇とともに、自己成長につながる企業経営者向けのテクノロジー研修プラン」を発表した。内藤誠執行役員は「プログラミング合宿などを通じ、ラフォーレ修善寺をリゾートテクノロジー研修の聖地としたい」と意気込んだ。

内藤執行役員

 ユニロボットは、自然言語処理や感情解析、提案といったコミュニケーションが可能な次世代型ソーシャルロボットの開発・製造・販売を行っている。酒井拓代表取締役は「人の表情や話し方から学ぶ対話AI(人工知能)ロボットユニボを活用した接客サービス」をプレゼンした。受け付けや客室、レストランでロボットを導入して接客を担う構想だ。会話の中から嗜好(しこう)やアレルギー情報などを確認し、料理内容を提案することなども想定している。「宿泊客などに驚きや楽しさを感じてもらい、森トラストの売り上げにも貢献したい」と語った。

酒井代表取締役

対話AIロボット・ユニボ

 伊達美和子森トラスト社長は「今回のアクセラレートプログラムは、日本社会で遅れをとっているのは地方やリゾートなのではないか、という問題意識から始まった。弊社にとっても初めての経験だったが、素晴らしいプレゼンに出会えた。このプログラムを通して、ITや若い人の考えを取り入れていければと思う。今回選ばれた3社と未来に向けた話し合いをしていきたい」と話した。