【ジオパワーシステム】地中熱換気システム採用・ZEB施設見学会を開催 年1000件の導入を目指す | 建設通信新聞Digital

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【ジオパワーシステム】地中熱換気システム採用・ZEB施設見学会を開催 年1000件の導入を目指す

 ジオパワーシステム(山口県美祢市、橋本真成社長)は12日、熊本市の白鷺電気工事本社ビルでZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)施設見学会を開いた。同社が開発した地中熱換気システム「ジオパワーシステム」を採用しており、参加者にシステムを説明した。
 白鷺電気工事本社ビルは、省エネルギーセンター主催の2018年度省エネ大賞で会長賞を受賞した施設。16年熊本地震で旧本社ビルが被災したため、「災害に強いビル」「ZEBの導入」「働き方改革」の方針に基づき、建吉組の施工で建て替えた。施設規模はS造3階建て延べ1313㎡。
 同システムのほか、太陽光発電、直流配電ネットワークシステム、Low-E複層ガラス、LED照明などの利用により1次エネルギー消費量の75%に当たる年間94キロリットルのエネルギー消費量(原油換算)を削減し、Nearly ZEBを達成。また、九州では5社のみのZEBリーディングオーナーに登録している。設備投資は、補助金を利用して約16年で回収する想定だ。
 地中熱換気システム「ジオパワーシステム」は、垂直に埋設したパイプに外気を送り、深さ約5mの地中を通過させることにより熱交換した空気を取り入れる。パッシブ型と呼ばれるタイプで、地中の安定した熱を使い、夏は涼しく冬は温かい空気を取り込むことができる。
 パイプは、2重構造となっており、外側は防食加工したアルミ製、内側はポリエチレン製で熱交換した外気を効率よく取り込む。パイプ底に水を通すことで5マイクロm以上の粉じんは90%以上カットする。パイプの外径は、住宅用の250mmとそれ以外の380mmがあり、今回の現場は380mmのパイプ8本を深さ7.5mに埋設。室温は、年間を通して約18-19度で安定している。
 同システムの導入実績は18年までに2000件。国内の温室効果ガスを30年度に13年度比26%削減する国の施策を背景に導入拡大を見込む。橋本社長は、「ZEBやZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の推進に合わせて、四季がある地域ならどこででも使うことができる地中熱利用の換気システムを標準にしたい」と述べ、将来的には住宅を中心に年間1000件の導入達成を目指す。
 また、地中熱などの自然エネルギーと補助熱源の温度調節、着衣量などの工夫により環境、省エネ、健康のすべてに折り合いを付けるライフスタイル「ジオスタイル」を提唱しており、システムとの相乗効果を狙う。

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