【記者座談会】パシコングループが投資会社設立/都が五輪期間の路上工事調整 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【記者座談会】パシコングループが投資会社設立/都が五輪期間の路上工事調整

A パシフィックコンサルタンツグループがインフラプロジェクトを投資対象にファンド運営を行う新会社を設立したね。
B 地方経済が衰退し、地方財政も逼迫(ひっぱく)する中で、公共インフラの資金調達も今後さらに多様化していく。グループの中核事業会社であるパシフィックコンサルタンツは公共投資を中心とした従来の建設コンルタント市場がこれからも主戦場となるが、再生可能エネルギー分野や地方創生プロジェクトなど、地域の社会的課題解決に向け、民間投資による新たなインフラ市場、非建コン市場を開拓し拡大していく役割を今回設立した新会社のブルー・ブリッジ・パートナーズが担うことになる。
C 建設コンサルタント会社が内部資金を使って投資する取り組みはこれまでもあるが、いわゆるレバレッジを効かせて事業展開するのは建コン業界でも初めてという。金融機関が中心になって組成するファンドとは違い、建設コンサルタントとして培ってきた知見や経験値から事業リスクを見える化するなど、投資家にとって安心できる投資環境と機会を提供できることを強みとしている。
B トップには金融のプロを招聘。8人の社員でスタートを切った。親会社でLP(リミテッド・パートナー)出資するパシコングループは現在、適格機関投資家等特例業務の届け出をしており、これが受理されれば事業活動がより明確になるが、当面はトラックレコード(運用実績)をつくることに専念し、事業の収益が生まれるには3年はかかるとみている。売上目標は現段階では5年後をめどに最低でも20億円ぐらいという規模感を示している。
C 社名は、人と人、コトとコトを組み合わせてイノベーションを生み出す架け橋とブルーオーシャンを掛け合わせた。どう新市場を切り開いていくのか、注目したい。

11日に新会社設立について会見したパシフィックコンサルタンツグループの高木茂知社長(右)とブルー・ブリッジ・パートナーズの船津康史社長

円滑な輸送と都市基盤整備を両立

A ところで東京五輪・パラリンピックもいよいよ来年開催となるが、東京都が五輪期間中の都発注工事について調整する方針を明らかにした。
D 大会関係地域などで路上工事によるボトルネック化を回避し、都内全域で工事車両数を削減するのが目的だ。オリンピックとパラリンピックのそれぞれの開会式前日から閉会式翌日の計34日間は路上工事を避け、このうち計19日間は車両数を削減する。
E 調整に当たっては対象地域を大会関係地域(会場周辺、観客輸送ルートなど)、区部(会場などあり)、区部(会場などなし)、多摩地域(圏央道内)、多摩地域(圏央道外)の5つに分け、それぞれ発注時期の調整、工事の一時休止、工事車両出入りの振り替え、工事の夜間実施、大会関係地域を通行しないといった5つの手法で取り組む。
A 発注量が減ることを心配する声もあるが。
E 都は都市基盤整備や維持管理を着実に推進するため、「その年に必要な工事を着実に実施することが前提」(小池百合子知事)として、年間の工事発注量を減らさずに都庁各局の工事を調整する考えだ。
D 緊急対応工事や沿道建物へのライフライン供給工事、清掃などは対象外となる。今後、都庁各局で取り組み方針に沿って具体策を検討することになる。
E 今夏には都発注工事のうち、受注者の協力が得られる現場を対象に1年後を見据えた取り組みを実施する予定だ。具体的には7月22日から8月2日、8月19日から30日までの平日を集中取組期間として、早朝・夜間の工事車両出入りや工事車両数の削減に向けた取り組みを呼び掛けるという。どのくらい成果が上がるか、しっかり見極めたいね。

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