東北大災害科学国際研究所(今村文彦所長)などの大学関係4団体は18日、震災伝承ネットワーク協議会(会長・高田昌行東北地方整備局長)に対し、「学」の立場から同協議会の活動に積極的に参画するとした緊急提言を行った。特に沿岸部の伝承施設などを縦断する“3・11伝承ロード”の形成に向けて知見や研究成果を提供する。
東北大災害研は同協議会の3・11伝承ロード構想について「防災向上に非常に効果的で、交流の促進や地域の活性化にも貢献できる」と高く評価した上で「震災時のノウハウを蓄積し、防災力向上に貢献できる産学官民の持続性ある体制が必要であり、その構築に積極的に参画する」と表明した。
他団体も▽震災伝承施設の活用▽教訓のアーカイブ化▽防災力の強化–などの活動に対する支援の意向を提言書に盛り込んだ。
仙台市内で高田会長に提言書を手渡した今村所長は「3・11伝承ロードを核としつつ、2次、3次の多重ネットワークの形成が必要だ。物理的なつながりだけでなく、インターネットを活用したバーチャルな情報の活用を支援したい」と話した。
平川会長も「われわれには震災の経験や教訓を世界、後世に伝えていく使命がある。協議会の活動に参画し、これまで蓄積してきた調査・研究の成果をより多くのチャンネルを通じて発信していきたい」と述べた。
提言を受けて高田会長は「協議会メンバーである被災4県(青森・岩手・宮城・福島)、仙台市と提言内容について情報共有を図るとともに、震災伝承の体制構築に向けて連携していきたい」と応じた。