◇全産業でも使いやすい制度改善に期待
A 政府の会議で変形労働時間制が立て続けに議論されたね。「1年単位の変形労働時間制」は建設業での活用が見込まれ、総労働時間を短縮できる制度として国土交通省と厚生労働省が周知しているけど、どういう議論だった。
B 規制改革推進会議の第8回働き方・人への投資ワーキング・グループ(WG)で、全国建設業協会が建設業での活用のしにくさを指摘し、改善を求めた。
C この指摘は全建以外からもある。WGで日本商工会議所が運用緩和を要望したほか、日本成長戦略会議の第3回労働市場改革分科会では全国商工会連合会と全国中小企業団体中央会が声を上げた。
A 制度のどこが問題なのか。
B 業務の繁閑に応じて週40時間の範囲内で労働時間を弾力的に配分可能な制度だ。1年単位で変形する場合、暑さから生産性が落ちる夏の労働時間を減らす代わりに、涼しい秋や冬に増やすといったことができる。ただ、活用に当たっては1カ月分の勤務カレンダーを30日前までに定める必要があり、この部分の改善を求める意見が多い。
C 全建は、天候の影響を受けやすい労働環境では30日前の天候予想が不可能として、勤務カレンダー事後作成の容認など臨機応変に対応できるよう求めた。
B 労働者の健康確保の観点から問題点を指摘する学識者もいる。
A 今後はどうなるのかな。
C 労働時間規制の緩和検討を表明している高市早苗首相は、4月22日の日本成長戦略会議で、変形労働時間制を含む労働時間制度の見直し検討を加速するよう上野賢一郎厚生労働相に指示した。見直す方向で進みそうだ。
B 建設業の実態も踏まえた上で、どの産業でも使いやすい制度に改善してほしいね。
◇持続可能な下水道に向けDX加速
A 話は変わるけど、埼玉県八潮市の道路陥没事故を機に実施された下水道管路全国特別重点調査の結果が公表された。
D 9割弱の結果が判明した2月末時点で、「要対策」と判定した管路は延長748㎞、割合では全体の15.9%あった。
E 国交省は、対象自治体に対して速やかな修繕・改築を求める通知を出した。2025年度補正予算と26年度当初予算で個別補助制度を設けており、要対策箇所の改築を財政的に支援する。
D 今国会には下水道法など改正案も提出している。下水道管路診断基準の法制化や重要管路の点検頻度拡大などにより、強靱で持続可能な下水道の実現を目指す構えだ。
A 急きょの調査でスピード感が求められる中、全国の各自治体でドローンが多用された。
D 効率的かつ安全に調べられるとの認識が広まった。取得したデータを解析し、日常の点検・診断にどう生かしていくか。それこそが予防保全への転換の鍵を握っていると言えそうだ。
E 民間の動きも活発になってきたよ。ドローンメーカーのリベラウェアは、日本ヒューム、日水コン、管清工業の下水道関係3社と資本業務提携を締結した。共創により、下水道点検・維持管理を一気通貫で支える統合ソリューションの開発と社会実装を進めるとしている。業種や分野の垣根を越えて連携するのは、社会課題の解決に向けた取り組みが大きなビジネスチャンスになると捉えているからだろうね。
A 地下に敷設されて普段見えない下水道管路をどう見える化していくか、下水道分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速しそうだ。

