【記者座談会】令和初の総会シーズン最盛期/実行問われる働き方改革に道筋を | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【記者座談会】令和初の総会シーズン最盛期/実行問われる働き方改革に道筋を

A 建設関係団体の総会シーズンも最盛期に入ったが、懇親会も含め、ことしの雰囲気や話題はどうかな。
B 各団体の先陣を切って定時総会・理事会を開いた日本建設業連合会は、山内隆司会長の再任などを決めた。山内会長は2期目のスタートに当たり、「今後、建設市場がいかなる状況になろうとも、(働き方改革が)決して後戻りすることのないよう道筋をつける」と決意表明した。建設キャリアアップシステムの普及・促進と週休2日の実現に全力を傾け、「社会構造の変化に耐え得る建設業の確固たる礎」づくりに臨む覚悟をにじませた。
C 日本埋立浚渫協会は、定時総会後の懇親パーティーで、羅針盤をモチーフに海、波、空をデザインした協会のロゴマークをお披露目した。海洋土木の未来を切り開く協会の使命と強い意志を表している。令和時代の幕開けというドンピシャのタイミングで「新生日本埋立浚渫協会」をアピールできた。
B 日本橋梁建設協会は、役員改選で満岡次郎IHI社長を新会長に選任した。満岡新会長は、鋼橋の目指すべき方向性として、事業成長力の強化、長寿命化への対応、海外事業への挑戦の3点を挙げ、「働き方改革の推進、ICTの活用、労働環境の改善を主軸に、担い手確保に努めていきたい」と決意表明した。総会後の会見では、2019年度の国内鋼道路橋受注の見通しについて「昨年度に比べると正直厳しいとの見方もある」とした上で、「ある意味で適正な事業規模の水準となる20万tを死守していきたい」と力を込めた。
D 今回の総会は、元請団体、専門工事業団体のいずれも働き方改革や生産性向上が話題の中心だ。昨年までもそうした話題が中心だったが、ことしは法律が施行され、各団体も実施に移す施策を打ち出しており、これまでより具体的な取り組みについて言及する団体が多いと思う。すべきことが固まってきたことで、「あとはやるだけだ」という雰囲気だね。問題は、できるかどうか。いまは団体の会員各社の手元にボールがあるという状態だ。

29日に開かれた全国建設業協会の総会でも働き方改革や生産性向上への取り組みが話題に上った

コンサルなど改正品確法に歓迎の声

A 設備工事業は。
E 設備の19年度団体活動は、適正な工期設定と工程管理、人材確保、働き方改革、外国人労働者受け入れ、建設キャリアアップシステムへの対応が課題ということで共通している。外国人活用の特定技能については、設備系で建設技能人材機構に入っているのは情報通信エンジニアリング協会だけだが、電設協は特定技能での電工職種活用に向けた検討を表明し、「1年間をかけて結論をまとめる」としている。
A 建設関連業はどうか。
F 建設コンサルタントなど建設関連業は改正労基法が4月から適用されているだけに長時間労働の是正などは既に手当済みだ。ただ防災・減災、国土強靱化に伴う公共事業予算の上積みによって業務量が増加することは必至だけに、発注行政と一体となった取り組みのさらなる強化とともに、生産性向上や業務改善に向けた活動が従前以上に活発化しそうだ。新会長に高野登日本工営会長が就いた建設コンサルタンツ協会では新執行体制の始動にあわせて今年度から4カ年の新中期行動計画を公表したが、BIM/CIMやICTの積極活用とともに協会内への技術開発プラットフォーム構築を新たに打ち出している。
D 今国会で審議中の改正品確法(公共工事品質確保法)で建設コンサルタントや測量、地質調査、建築設計が明確に位置付けられることを歓迎する声も多い。6月に入ると建築設計関連団体の総会が本格化する。どんな話題が出てくるのか、注視したいね。

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