【ラディクールジャパン】自然現象"大気の窓"利用・ゼロエネで物体冷却 「Radi-Cool」技術が応用へ | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【ラディクールジャパン】自然現象“大気の窓”利用・ゼロエネで物体冷却 「Radi-Cool」技術が応用へ

 ラディクールジャパン(松本晃代表取締役会長CEO)は、エネルギーを使わずに物体を冷却する技術「Radi-Cool」を住宅や工場など屋外施設向けに応用する。赤外線の波長を集約して宇宙空間に放つ微細なガラスビーズが特徴。これをランダムに混ぜ込んだ有機・無機ポリマーハイブリッド設計のフィルム化の低コスト・大量量産に成功した。10月の国内販売開始を目指し、「施工面積100万㎡が1つの目標」(松本会長)という。

ヘルメットやベストなど夏の現場作業に効果が期待できる

 11日の同社設立会見で松本会長は、「電力消費量30%削減と地球温暖化対策、設備投資の負担軽減を合わせた一石三鳥だ。この画期的技術で世の中に貢献したい」と意気込みを語り、「繊維化できればおもしろい。衣料になれば市場は拡大する」と今後の展開を述べた。
 Radi-Coolは“大気の窓”と呼ばれる自然現象を利用した放射冷却技術。通常、地表から放射する赤外線などは地球の大気によって吸収・反射される。宇宙空間に抜ける限られた波長域が大気の窓だ。Radi-Coolは、マイクロ・ナノ構造とサイズ調整によって物体の熱放射を大気の窓の一部である8-13マイクロmの赤外線に集約して宇宙空間に放出する。従来の断熱材が太陽光を周囲に反射するか物体への熱伝導を遅らせるのが一般的であったのに対し、太陽光を約96%反射してゼロエネルギーで物体の表面温度を下げる。
 開発したシートは、大型施設や工場・倉庫、太陽光発電施設などに応用でき、既にシンガポールやマレーシア、中国などで展開中。2019年内に屋根や布、ヘルメットに適用できる塗料製品の販売を予定する。

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