三菱地所設計は、個人のスマートフォンを使ってビル用マルチ空調機を操作し、自宅のエアコンのようなパーソナル空調を実現するシステムを考案。三菱電機のBLE(Bluetooth Low Energy)通信技術を活用した「マイリモBLE」を開発した。後付けが可能で既設ビル用マルチ空調機にも簡易に対応できるのが特長。自分のスマホで最寄りの空調機を手軽に操作できるため、個々の快適性と生産性の向上、さらに省エネや間仕切り変更時の工事費削減にもつながるといったメリットが期待できるとしている。両社が共同し三菱地所設計本社で実施している実証実験の結果を踏まえて製品化を目指す考えだ。
「マイリモBLE」は、既存のビル用マルチ空調機に受信機を設置し、オフィスビルのユーザーがスマホのアプリケーションから空調機を手元で操作できるシステム。いつでも、どこでも最寄りの空調機を操作できることに加え、通信機とスマホとの直接通信となるため客先LANの接続が不要となる。
実証実験は、三菱地所設計の本社10階で1月から開始。利用者アンケートでは、「席を立たずに空調操作ができて便利」などといった肯定的な意見が多く、おおむね個人の満足度向上につながる結果が得られている。同社では9月までを予定している実験後の製品化を目指しており、自由度の高いフリーアドレスタイプのオフィスのほか、打ち合わせスペースをその都度活用するような店舗などでの適用を提案していく。また照明機器やブラインドなどの機器へも適用範囲を広げていくことも視野に入れている。