【成田国際空港、東京ガス】空港脱炭素で新会社「Green Energy Frontier」設立 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【成田国際空港、東京ガス】空港脱炭素で新会社「Green Energy Frontier」設立

会見で新会社のロゴを示すNAAの田村社長(左)、東京ガスの内田社長


 成田国際空港会社(NAA)と東京ガスは20日、東京都内で会見を開き、千葉県成田市の成田国際空港内に新会社「Green Energy Frontier」を設立すると発表した。4月1日から事業を始める。
 老朽化が進む中央受配電所や中央冷暖房所を更新し、2034年度までに高効率機器を導入した新たなエネルギープラントを建設するほか、滑走路近くの未利用地など合計約200ヘクタールに発電容量180メガワットの太陽光発電設備を設置する。50年までに空港で使用するエネルギーを脱炭素化するため、1000億円規模の費用を投じる。
 会見でNAAの田村明比古社長は「高いノウハウを持つ東京ガスと新会社を設立する。CO2ネットゼロに向けて新プラントと太陽光発電設備などを整備し、安定した地産地消のエネルギーを創出する。台風など自然災害の発生時には災害対応拠点として地域に貢献したい」と述べた。また、東京ガスの内田高史社長は「これまで培ったノウハウと技術力を発揮し、レジリエンス(防災・減災)の強化などに役立ちたい。未来を見据え、高度・高効率なプラントをつくる」と意気込みを語った。
 新会社の出資比率はNAA50%、東京ガス50%。出資金は18億2750万円となっている。事業内容は電気・熱の安定供給を担うエネルギー供給事業、空港の脱炭素化など。代表者は3月に開く株主総会で決める。「空港の脱炭素化モデル」を世界に先駆けて構築し、将来的にはそのノウハウを国内外の都市開発などにも波及させたい考えだ。
 

◆新プラント建設へ/次年度早期に調査業務を外部委託/Green Energy Frontier


 NAAと東京ガスが4月に設立する「Green Energy Frontier」は、成田国際空港の脱炭素化に向けて、老朽化が進む中央受配電所と中央冷暖房所を更新し、新しいエネルギープラントを整備する。
 東京ガスによると、施設の設計者、施工者は未定。現在、東京ガスで概略設計を進めている。2023年度早期に土壌などの調査業務を民間事業者に委託する。施設の基本・実施設計も外部に委託する予定だ。新中央受配電所は27年度、新中央冷暖房所は34年度の完成を目指す。
 NAAは、大気汚染物質の排出量の少ない天然ガスを燃料としたコージェネレーションシステムを00年に導入済み。既存の中央冷暖房所は旅客ターミナルビルや貨物施設などへのエネルギー供給を担っている。このため、既存施設を稼働させつつ、段階的に整備を進める構えだ。



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