【記者座談会】TICAD7閉幕/20年度予算の概算要求まとまる | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【記者座談会】TICAD7閉幕/20年度予算の概算要求まとまる

A 第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が8月30日に閉幕したけど会議の内容は。
B 民間企業による投資、ビジネスの促進に一層焦点を当てた内容だった。安倍晋三首相は2016-18年の3年間で200億ドル規模だったアフリカへの民間投資がさらに大きくなるよう、政府として全力を尽くす考えを表明した。
A インフラ関係では、公式サイドイベントとして国土交通省の主導で日・アフリカ官民インフラ会議を開いたが。
C 日本が提唱する「質の高いインフラ」の重要性のほか、インフラ整備に使った技術やノウハウが現地の企業や現場従事者に伝達されることなど、日本の強みをアピールした。その結果、日本と一緒にインフラを整備する「Made with Japan」のコンセプトを共有すると、会議の共同声明に明記されたことが最大のポイントだ。日本のゼネコンなどで組織するアフリカ・インフラ協議会(JAIDA)を共同声明で位置付け、JAIDAとプロジェクトの情報を共有することも盛り込んだ。
B ランチタイムでは、会議に出席したアフリカの国々を前に、石井啓一国交相がJAIDAの宮本洋一会長に感謝状を贈った。JAIDAがインフラ整備のパートナーであるとアフリカ側に印象付ける演出だ。
C TICAD7には53カ国が参加したが、共同声明に合意したのは6カ国とアフリカ連合にとどまる。「Made with Japan」のコンセプトをアフリカ全土に広め、日本企業が関与する具体的なインフラプロジェクトの形成につなげていくことが今後求められる。

「日・アフリカ官民インフラ会議で阿達雅志国土交通大臣政務官(左から6人目)はアフリカ諸国に質の高いインフラへの理解を求めた

公共事業関係費は6府省で7兆3536億

A 20年度予算の概算要求がまとまったが、その状況は。
D 一般会計の要求額の合計は過去最高だった19年度の102兆7658億円を上回り、105兆円前後になったとみられる。20年度予算では、消費税率10%への引き上げ後を見据えた景気対策を概算要求とは別に検討するため、当初予算は19年度に続いて100兆円台になる見通し。要求総額が100兆円を超えるのは6年連続だ。
A 具体的な事業の動向はどうだろう。
E 国交省の概算要求の柱は、水害対策など防災・減災、国土強靱化の取り組みだ。「水防災意識社会」の再構築に向けた水害対策の推進は30%増の5623億円を求めた。洪水氾濫(はんらん)を未然に防ぐための計画的な堤防のかさ上げや、浸透対策の強化などを進める。インフラ老朽化対策の推進には19%増の5827億円を要求した。
F 環境省の福島復興・再生関係のうち、中間貯蔵施設整備などの要求額は、前年度比約2.7倍の5611億円。20年度が復興・創生期間の最終年度に当たることに加え、用地取得や施設整備、輸送が順調に進んでいることなどから、大幅な増額要求となった。20年度も引き続き用地取得や施設整備、施設の運転・貯蔵とともに、19年度と同程度の除去土壌などを施設に運び入れる見通しだ。
A 建設産業界が注目する公共事業関係費はどうなっているの。
D 国交省の公共事業関係費は6兆2699億円で、防災・減災、国土強靱化関連を除く19年度予算額と比べると19%増となった。農林水産省は8436億円、環境省が800億円となっている。公共事業関係費を計上する6府省合計の要求額は7兆3536億円だ。防災・減災、国土強靱化関係分は、臨時・特別の措置として予算編成過程で検討する「事項要求」扱いのため、年末の予算案が注目だね。

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