【佐藤総合計画・創立74周年式典】石田壽一東北大教授を招き講演会 木造建築のあり方を探る | 建設通信新聞Digital

5月7日 火曜日

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【佐藤総合計画・創立74周年式典】石田壽一東北大教授を招き講演会 木造建築のあり方を探る

 佐藤総合計画は1日、東京都墨田区の本社ビルで創立74周年記念式典を開いた。2020年の75周年に向けた3カ年事業の2年目となる今回は、CLT(直交集成板)を用いたモノコック構造(応力外皮構造)のモデル検証に関する共同研究を実施している石田壽一東北大大学院工学研究科教授を招いて講演会を行い、これからの時代にふさわしい木造建築のあり方を探った。

1階ギャラリーにはCLTモノコック構造のモックアップも展示した

 講演に先立ち、あいさつした細田雅春社長は「創設以来の伝統を踏まえつつも時代の変化に応えて事務所は変わってきた。これは創設者である佐藤武夫も言い続けたことであり、それが国内外での成果につながり、建築以外の分野からも広く佐藤総合計画に対する関心は高まっている。これからも建築を通じて広く社会に貢献するという姿勢で歩みを進めていく」とした上で、「きょうの講演は、いまの社会やデジタル環境にあわせて木造建築がどうあるべきか、これからの時代にふさわしい建築のあり方をどう考えていくかというヒントになる」と語った。
 「デジタルファブリケーション時代の木造建築デザインの可能性」と題した講演の中で石田氏は、次世代の木造建築を考えるキーワードとして、「グリーンMET(マス・エンジニアード・ティンバー)デザイン」を挙げ、Society5.0や低炭素社会の実現を目指していく、その先に「新しい木造建築デザインの可能性がある」と指摘した。その上で佐藤総合計画と共同設計した『東北大学建築CLTモデル実証棟』の設計プロセスなどを紹介。今後のMET普及に向けては「日本建築の伝統や文化を下地にしながらイノベーションを起こさないと持続しない。日本的な材料と感覚を生かしながら里山管理、森林資源管理まで連続してデザインを考えていく必要がある」と提起した。
 この後懇親会もあり、75周年に向けて決意を新たにしていた。

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