【防災まちづくり】燃えない・燃え広がらないまちへ 密集市街地整備をトータルサポート UR | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【防災まちづくり】燃えない・燃え広がらないまちへ 密集市街地整備をトータルサポート UR

 都市再生機構(UR)東日本都市再生本部が東京都荒川区と千葉市で進めている2つの事業が大詰めを迎えている。密集市街地整備「荒川二・四・七丁目地区」は、2020年度実現を目指す“燃えない・燃え広がらないまちづくり”に向けて、道路拡幅や木造住宅建て替えといった区施行の事業をトータルサポートする。千葉臨海部の防災公園街区事業「蘇我臨海地区」は、大規模土地利用転換としてスポーツ施設などを整備中で、21年度完了の予定だ。
 2事業のうち、荒川二・四・七は約48.5haが対象。密集事業のコーディネートと木密エリア不燃化促進事業の2つが大きな柱。密集事業では、地元まちづくり協議会運営のほか、区が施行する総延長約770mの主要生活道路拡幅整備を支援。木密エリア不燃化と連携し、建物除却後の残地を買い取る。

整備前後の荒川二丁目

 木密エリア不燃化促進事業は、移転代替地の提供や土地を分合・交換してエリア内の土地を取得するなど建て替えを支援する。取得面積は19年8月時点で約1800㎡。
 嶋倉強密集市街地整備部城東都市再生事務所担当課長は、「道路拡幅や従前居住者用賃貸住宅整備など、成果が目に見える形になってきた。防災まちづくりは住民とのつながりが大事で、われわれも地域のニーズを組み上げてまちづくりに生かしたい」と意気込む。
 蘇我臨海地区は、JFEスチール移転跡約87haを再生する計画だ。土地区画整理事業と都市公園事業、両事業をつなぐ街路事業がUR施行で進む。このうち公園事業は、平常時はスポーツ振興拠点に、災害時は広域防災拠点として総延べ約46haを整備する。02年度に事業が始まり、19年8月には昭和造園が施工した野球場「フクダ電子スタジアム」の供用が始まった。

蘇我スポーツ公園イメージ

 自衛隊の待機・駐屯スペースとなる「第3多目的グラウンド」は21年3月、「第4駐車場・スケートパーク」「レクリエーション広場」は22年3月の完成を目指す。第3多目的グラウンドと第4駐車場は昭和造園が施工し、レクリエーション広場は20年度の盛土工事が完了次第、基盤・施設工事を発注する見通しだ。設計はいずれも総合設計研究所が担当している。
 芦野光憲事業推進部調整役は「期間が長い事業なので、時点に合わせた修正に苦労している。防災公園の認知度向上が今後の課題」と述べた。

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