【鎮座百年祭記念事業】収蔵品通じ日本の"折り目正しさ"伝える 明治神宮ミュージアムが開館 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

公式ブログ

【鎮座百年祭記念事業】収蔵品通じ日本の“折り目正しさ”伝える 明治神宮ミュージアムが開館

 明治神宮が東京都渋谷区の明治神宮境内で進めていた「明治神宮ミュージアム」が26日に開館した。25日に内覧会を開き内部を公開した。2020年、明治神宮鎮座100年を祝賀する「鎮座百年祭」記念事業の一環として、施設には明治神宮の成り立ちや神道文化に関する常設展示室などを設けた。設計は隈研吾建築都市設計事務所、施工は清水建設が担当した。

森の景観との調和を目指した


 明治神宮ミュージアムの黒田泰三館長は「収蔵品を通じて、明治という歴史的な側面のほか、展示品の美しさ、日本人や日本の“折り目正しさ”に気づいてほしい」と呼び掛けた。

黒田館長


 施設はS・RC造2階建て延べ約3200㎡。設計では特に屋根にこだわったという。日本で古来より最も格式が高い形式として重んじられた入母屋造りにしたほか、明治神宮の広大な森の景観と調和するように、軒先を薄くして建物の存在感を弱めた。
 建物の高さは森の木立を超えないように配慮したほか、ミュージアム内には、明治神宮内で倒れた樹木を利用してつくったベンチも配置した。
 1階のメインロビーは、明治神宮の森の中にいるような開放感あふれる空間にした。1階「杜の展示室」では、明治神宮の歴史や日々の営みを紹介した展示、映像を観覧できる。
 2階には、「宝物展示室」を設けた。大蔵省紙幣寮で彫刻師として従事したエドアルド・キヨッソーネが描いた明治天皇・昭憲皇太后の御尊影や、大日本帝国憲法発布日に明治天皇と昭憲皇太后がお乗りになった「六頭曳儀装車」を始めとした御宝物を約20点展示する。このほか2階の企画展示室では、年4回の企画展を予定している。
 所在地は明治神宮境内の代々木神園町1-1。

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら