【ゼネコン女性交流会】建設業界の女性50人が参加 東京都庭園美術館・施工上の工夫点や歴史を学ぶ | 建設通信新聞Digital

5月7日 火曜日

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【ゼネコン女性交流会】建設業界の女性50人が参加 東京都庭園美術館・施工上の工夫点や歴史を学ぶ

 ゼネコン勤務の女性を中心に建設業界で働く女性で構成する「ゼネコン女性交流会」が10月31日、東京都港区の東京都庭園美術館で開かれた。17回目となる今回は幹事社を務めた戸田建設を含む17社約50人が参加し、同社が本館改修と新館建設を施工した美術館を見学。施工上の工夫点や歴史的価値について学んだ。

外壁リシン掻き落とし工法による外壁を見学した

 東京都庭園美術館(港区白金台5-21-9)は、1933(昭和8)年に朝香宮邸として竣工した。敷地約3万5000㎡の庭園内に立地する。設計は宮内省内匠寮、主要室内内装はフランス人室内装飾家・デザイナーのアンリ・ラパンが手掛けた。戸田組(現戸田建設)が施工に当たった。
 83年に美術館として開館し、戸田建設による旧朝香宮邸(美術館本館)改修と新館建築を経て、14年11月にリニューアルオープンした。新館設計は久米設計が担当。15年7月には、アール・デコ様式を現在に伝える優れた意匠が評価され、旧朝香宮邸が重要文化財の指定を受けている。
 見学会の冒頭、リニューアル工事で現場所長を務めた池脇剛志戸田建設作業所長は「使用する資材や見た目はできる限り建築当時のままで、文化財の価値を尊重して工法の再現や資材調合にこだわった。特に外壁改修では、“外壁リシン書き落とし”という100年前の工法を再現しようと、材料の調合を研究し、熟練の左官職人と打ち合わせを重ねた」と説明した。
 また、樋田豊次郎東京都庭園美術館館長は「発祥の地であるパリでも、実は“アール・デコ様式の戸建て建物”と言えるものはあまりない。日本だけでなく世界でも非常に珍しい建物として価値がある」と語り、見学のポイントを紹介した。

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