【遠隔地から買い物も】ANAホールディングスと三井不動産 アバターロボット共同事業を開始 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【遠隔地から買い物も】ANAホールディングスと三井不動産 アバターロボット共同事業を開始

 ANAホールディングス(ANAHD)と三井不動産は、12月から東京・日本橋エリアで「アバター」の都市実装共同事業を開始する。ANAHDは、独自開発した普及型コミュニケーションアバターロボット「newme(ニューミー)」を活用し、ユーザーがアバターロボットに接続することで、遠隔地からでもショッピングを楽しんだり、会議に参加することができる。今後、2020年内をめどにアバター100体の投入を目指す。

「newme」

 アバターはVR(仮想現実)やロボティクス、センサー、ハプティクス(触覚)といった最先端のテクノロジーを活用し、異なる複数の場所に設置した遠隔アバターロボットに接続することで、その場にあたかも自分が存在するかのように行動できる技術。
 オフィスや商業、MICE(国際的な会議・展示会など)、住宅など多様な都市機能が集まる日本橋を舞台として、都市実装を進めることで、さまざまな活用事例を創出したい考え。ANAHDはアバターの社会インフラ実装の一環として進める一方、三井不動産は「日本橋再生計画第3ステージ」で掲げた新産業の創造を目指す。
 初弾プロジェクトとして12月から、ニューミーを活用したショッピング体験をスタートさせる。遠隔地にいて日本橋まで足を運べない時や外出できない場合などでも、アバターを通じた接客によるショッピングが可能となる。
 一方、ビジネスシーンでは、アバターを使った遠隔地とのコミュニケーションやカンファレンスの参加などの活用を進める。多忙な講演者が遠隔地から参加したり、参加者は日本橋に足を運ばなくともワークショップに参加できる。20年3月からは、「宇宙ビジネス拠点X-NIHONBASHI」でニューミーを複数台導入し、ビジネスコミュニケーションの活性化を後押しする方針だ。同時に、ほかのオフィスやイノベーション拠点、カンファレンス施設などでの導入も進める。
 エンターテインメント分野では12月から、都内の数カ所に設置したプロジェクションマッピングを、日本橋エリアからアバターを操作して楽しむ体験を開始する。20年1月から開催する花の体感型アート展「FLOWERS BYNAKED 2020-桜-」では、パソコンからアバターを通じた来場が可能になる仕掛けや、リアルとデジタルが融合した演出を検討している。
 このほか教育分野や、地域のコミュニティー活動などにもアバターを活用する。日本橋のオフィスワーカーや居住者などが地域コミュニティー活動を行う多目的スペース「Flatto」(フラット)で、20年3月からアバターを稼働させる予定だ。例えば、地域の子供への教育プログラムの講師がアバターを使って遠隔地から参加したり、その場にいないビジネスパーソンがビジネスサークルに参加するといった利用を想定している。

ショッピング導入イメージ

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