【仙台市・震災復興計画】多重防御の要となる命の道・東部復興道路が開通 津波減災へ6mかさ上げ | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【仙台市・震災復興計画】多重防御の要となる命の道・東部復興道路が開通 津波減災へ6mかさ上げ

 仙台市が、震災復興計画に基づく津波への“多重防御の要”として整備を進めてきた東部復興道路主要地方道塩釜亘理線外(かさ上げ道路)が11月30日に開通した。
 開通したのは同市宮城野区蒲生字東城道田の七北田川から若林区藤塚字一本松の名取川に至る全長10.2㎞。海岸堤防と防災林に続く津波の減災機能と内陸側の既存集落や防災集団移転先の安全確保を図るため約6mかさ上げした。盛土量約160万m3のうち、約40万m3は震災で発生したがれきと津波堆積土砂の混合土を活用している。

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 また、津波対策として、かさ上げ道路と東西を結ぶ市道南蒲生浄化センター1号線と県道荒浜原町線、同井土長町線の3カ所(全体延長約7㎞)の交差点はすべて平面交差とした。さらに水路開口部には平時は開いて内水排除機能を確保し、津波発生時に無動力で閉じるフラップゲート(バランスウェート付き)を27カ所に設置した。事業着手は2012年10月。14年3月から21工区に分割して工事を進めてきた。当初は10月に開通予定だったものの、台風19号で法面の一部が被害を受けたため、この日に延期された。
 震災遺構荒浜小学校で開かれた開通式には設計や施工に携わった30社の代表者らを含む関係者約130人が出席。冒頭、あいさつに立った郡和子市長は「多重防御の要となる命の道、命の防波堤であり、後世までこの地を訪れる人に教訓を伝えるシンボルとしての役割が期待される」と力を込めた。
 小高睦建設局長の事業経過の報告に続いて、来賓の英直彦宮城復興局長と和田政宗国土交通大臣政務官兼内閣府大臣政務官らが祝辞を述べたほか、地元中学生が期待の言葉を語った。
 この後、関係者によるテープカットとくす玉開披に続き、郡市長らが通り初めした。

テープカット

 施工関係企業は次のとおり。
 ▽赤坂建設▽旭イノベックス▽泉工務店▽栄喜工業▽奥田建設▽奥山工業▽オリエンタル工業▽河北建設▽木皿建設▽協立産業▽交通施設工業▽後藤工業▽伸和興業▽鈴木建設▽セフテイライン▽仙建工業▽泰誠機械工業▽高工▽千田建設▽東北三恵▽日建工業▽日啓工業▽橋本店▽長谷川建設▽東日本コンクリート▽広瀬組▽深松組▽復建技術コンサルタント(道路詳細設計)▽三善測量(同)。

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