【建築を身近に】JIA宮城が「アーキテクツウィーク2019」開催 若手建築家が次世代建築を討論 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【建築を身近に】JIA宮城が「アーキテクツウィーク2019」開催 若手建築家が次世代建築を討論

 日本建築家協会東北支部宮城地域会(JIA宮城、辻一弥会長)主催のアーキテクツウィーク2019が3日から5日までの3日間、仙台市内のせんだいメディアテークで開かれ、東北の若手建築家が参集して次世代の建築について討論するなど、建築を身近に感じさせる多彩なイベントが展開された。
 この中で4日には、有住和華氏(ホリエ)と真島嵩啓氏(SATO+ARCHITECTS建築設計事務所)、村上菜未氏(建築工房DADA)、雨宮雅明氏(関・空間設計)の4人の若手建築家が話し手となり、次世代の建築や社会などについて議論する「第2回Architects for Future」が開かれた。
 このうち、「住環境を向上させることで地球環境を改善したい」との思いから建設業界の道を志した有住氏は、山形市内の教育学校などの室内環境調査結果などを示しつつ、近年進む教育施設のエアコン設置について「躯体構造を改善せずにエアコンの設置は非効率でエネルギーの無駄遣いだ」と強調。その上で「建築物の性能を上げることが地球保全につながる」と訴えた。
 真島氏は、10月の台風や豪雨で、高い敷地にあることから被害が少なかった歴史的建造物の事例などを紹介しつつ、「古地図などからまちの骨格を読み解くことが防災につながる」と語った。
 「居心地良さ」をテーマにした村上氏は、イギリス・ロンドン市の滞在時に「道路の角地などに存在する緑地やガーデン、スクエアといったパブリックスペースで特に居心地良さを感じた。まちで生きていると実感することができる必要な公共空間であり、誰でも自由に過ごすことができる都市の余白があった」と振り返った。続けて「余白は可能性のある居場所の創出だ。建築においても、使い手が気分に合わせて自由に用途を考えられる場の有無が居心地良さにつながる」と持論を展開した。
 雨宮氏は宮城県東松島市の火葬場の設計で「地域産材を使うことは地域らしさを表せるのか、地域性を表現できるのか」などの苦悩の中、地域産の石材や木材などを活用したことを説明しながら、土着建築について問題提起した。

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