大阪電業協会は10日、大学生を対象とした「第27回電気工学系大学生現場見学会」を開いた。大阪工業大、摂南大、大阪産業大、大阪電気通信大、立命館大、大阪府立大、東大阪高等職業技術専門校の7大学・校から学生30人らが参加し、大阪市内で建設中の「オービック御堂筋ビル新築工事」の工事現場を訪れた。
見学に先立って同協会の森博明広報委員長は「きょうは最先端の技術を使って建設を進めている関西で有数の現場を見てもらうことになる。建築物などは世の中に存在し続けるもので、建設業の仕事は自分がそういった建築物に携わったことを誇りに思える業種だ。ぜひ見学会を通じて電気設備工事に興味を持ち、入職してもらえれば」とあいさつした。
続いて、設計施工を担当する鹿島の加藤誠副所長が施設や工事全体の概要、この現場で取り組んでいるBIMやICT施工の取り組みを説明。基本設計段階からBIMを取り入れ、配管や配線、設備機器の設置場所の検討などに活用し属性情報を付与したBIM竣工図を作成することで設備系統分けを見える化していることなどを紹介した。
電気設備工事を担当するきんでんの平田晴久現場代理人は、電気設備工事の内容などを紹介した後、学生に「電気は建物で最も重要な設備であり、建築現場のキーマンとなる職種だ」と呼びかけた。
見学では、本町変電所から引き込んだ2万2000ボルトの電力を6600ボルトに変圧・供給する特高電気室や、6600ボルトをさらに100ボルトに変圧するサブ変電所などを見て回り、質疑応答なども行った。
工事ではまず2016年7月から10カ月かけて既存地下構造物の解体を行い、新築工事は17年5月に着工。19年1月に上棟しており、既に工事はほとんど終え、検査も完了している段階だ。建設地は大阪市中央区平野町4-18ほか。