【地下水汚染・新たな浄化技術】大成建設が独自に発見「分解菌N23株」 複数の汚染物質が同時分解 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

公式ブログ

【地下水汚染・新たな浄化技術】大成建設が独自に発見「分解菌N23株」 複数の汚染物質が同時分解

 大成建設は、同社が独自に発見した分解菌N23株を活用することで、世界で初めて、地下水環境基準に指定されている複数の汚染物質を同時に分解できることを確認した。現場での適用性評価や実証試験を通して、N23株を用いた揚水浄化技術のシステム化を図っていく方針。地下水汚染に対する、より効率的な浄化技術の確立につなげる。

さまざまな有機性化学物質を分解可能なN23株

 優れた浄化能力を持つN23株を活用した対策技術は、これまで単一菌株を用いた微生物浄化で実現できなかった、複数の有機性化学物質(汚染物質)を同時に分解できる点が特徴。規制の強化が進められているクロロエチレンやジオキサンなどを短期間(各物質約1リットル当たり1mmグラムを基準値以下まで1日以内)で分解することができるという。
 一般的に広範囲な地下水汚染が生じている場合、くみ上げた地下水を複数の強力な酸化剤を用いて浄化する「促進酸化法」が有効になるが、浄化に要するコストの高さやCO2排出などの環境負荷に対する課題もあることから、同社は安定的かつ効率的に浄化処理を行うことができる新たな浄化技術として、N23株を活用した微生物による浄化性能の検証を進めていた。
 実際にN23株を活用した浄化技術は、浄化設備のコンパクト化などにより、従来の促進酸化法との比較で浄化コストは最大50%、CO2排出量は最大84%の削減が可能。促進酸化法に代わる短期間・低コストの新たな技術としての活用を目指す。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら