【東京地下鉄】トンネル検査でのドローン運用開始 操縦者がいない自律飛行型の開発にも着手 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

公式ブログ

【東京地下鉄】トンネル検査でのドローン運用開始 操縦者がいない自律飛行型の開発にも着手

 東京地下鉄は、ベイシスコンサルティングと東京大学大学院情報学環ユビキタス情報社会基盤研究センターの協力を得て、非GPS(全地球測位システム)環境となるトンネル検査でのドローン運用を6日から開始する。半蔵門線を対象とする。あわせて、本郷飛行機と共同で自律飛行型ドローンの開発にも着手する。

トンネル検査でドローン運用

 これまでトンネル内の構造物の状態を確認する検査は目視で行ってきた。トンネル検査でドローンを使ってより近い位置で撮影した画像を見ながら検査することで、目視より効果的に高い場所を確認できるほか、検査データを蓄積することで質の高いトンネル検査が可能になる。ドローンを使う場所は、非GPS環境で複雑な構造の地下鉄トンネル内であることから、自社でパイロットを育成し、共同製作したドローンを東京メトロ社員が操縦する。
 半蔵門線の検査は、開口部や立坑、トンネル上部を対象に実施する。
 あわせて開発する自立飛行型ドローンは、画像認識技術やAI(人工知能)技術を使い、GPS電波が届かない地下空間で、機体から撮影した画像を処理して壁や壁面の特徴を抽出・追跡し、ドローンの姿勢変化や移動距離を計算する技術を使い、操縦者がいなくても飛行することを目指す。高速画像処理技術を使い、障害物の多い空間の状況を認識して障害物との衝突を避けながら、自ら飛行計画を設計できる技術の開発も進める。鉄道施設の点検検査のさらなる効率化や巡回警備への適用も検討する。将来的には、ドローンだけでなく、取得したデータを処理し、業務に組み込むまでの工程の研究開発にも取り組む。

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら