【大京】東京五輪を見据えテレワークなど働き方改革実施 「スムーズビズ」でトライアル勤務を開始 | 建設通信新聞Digital

5月13日 月曜日

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【大京】東京五輪を見据えテレワークなど働き方改革実施 「スムーズビズ」でトライアル勤務を開始

 大京は、東京オリンピック・パラリンピック開催期間中の業務に備え、在宅勤務などのテレワークを中心とする「スムーズビズ」のトライアル勤務を実施した。対象者は首都圏の事務所に勤務するグループ8社の約2600人。国立競技場や競技会場などの近接地に本社(東京都渋谷区)や事務所を構えることから、交通混雑緩和などに貢献する働き方を模索している。

サテライトオフィスでの執務

 同社は五輪開催時の勤務方針として、大会期間中の有給休暇などの取得を促している。一方、休暇が取れない社員には、原則としてテレワークの実施や競技スケジュールにあわせたオフピーク出勤を導入する方針だ。今回のトライアル勤務は、予行演習として位置付けた。
 トライアル勤務は、(1)在宅やサテライトオフィスで勤務するテレワーク(2)8時-10時の混雑時間を避け、7時または10時30分以降に出社するオフピーク通勤(3)「会議なし週間」の導入(4)購買システムの発注停止、社内便・請負業務の利用を制限するなど物流負荷削減対策--などを実施した。
 トライアル勤務の準備として、社外の取引先などに対し1カ月前から通知したほか、消耗品についても事前に多めに購入し、できる限り影響を減らすよう心がけた。一時的にグループ会社の会議室などをサテライトオフィスとして活用し、東京に8カ所、神奈川に4カ所、埼玉に3カ所、千葉に1カ所開設した。
 同社は2017年から、さまざまな働き方改革に取り組んできた。なかでも特に好評だったのは、営業社員を中心にモバイルパソコンを貸与したことだ。リモートワークができ、移動時間の短縮や業務が効率化できるため、今回は営業職以外の事務職にも導入して、新たな課題を探った。
 経理や広報などの内勤者でも外部で勤務できるように、デスクトップ型のパソコンをモバイル型に切り替えたり、緊急の会議にも対応できるようWEB会議システムなどの社内インフラを整備した。
 広報の井上睦美主任は「東京五輪を見据えて、フレキシブルな勤務ができる環境づくりが大切だと考えている。一部社員がトライアル実施しているフレックスタイム制なども推進していきたい」と話す。“五輪レガシー”として、五輪開催以降の継続的な実施にも意欲を示す。

広報の井上主任

 人事担当としてスムーズビズを実施した大京アステージの田部啓太人財マネジメント部研修課係長は「これまで、出勤時間や勤務場所は固定化していた。そこに自由度が加わることで、人事を担う自分自身も業務に対する考え方が変わった」と感じている。その一方で、課題も見つかった。社内の状況や相手の顔が見えないため、コミュニケーションを取りにくいという点だ。「『もしかすると忙しいかもしれない』との配慮から、電話をかけづらい場面もあった」。顔を合わせないコミュニュケーションに特有な課題でもある。
 また、別の営業担当者は「グループ会社のサテライトオフィスといえども、あくまで別会社。“お邪魔をしている”という感覚が強く、コピー機を1つ使うだけでも気を遣う場面もある」と打ち明けた。職場の空気や人間関係を含めた仕事のしやすさに対する配慮も必要だ。
 普段、中央区や港区、千代田区など都心部のマンション管理を担当している大京アステージの荒畑祐行第一支店営業二課係長は「あくまでも客先優先のため、担当エリアから離れたオフィスへはなかなか行くことができない。時差出勤で早く行っても顧客が来ていなければ仕事はない」と述べ、デスクワークだけで完結しない職種に特有な課題を指摘する。もちろん、すべての仕事に多様な働き方がなじむとは限らない。
 同社は16年12月から「職場改革プロジェクト」をスタートし、17年9月には「働き方改革宣言」を発表した。これまで働き方改革の一環として、始業時間を午前7時-午後1時内の分単位で設定する「時差出勤の拡充」、休日をつなげ連続9日間以上の長期休暇とする「プラチナウィーク」などを導入している。
 
 
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