【記者座談会】新型コロナウイルス感染拡大 | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

公式ブログ

【記者座談会】新型コロナウイルス感染拡大

A 新型コロナウイルスの感染拡大による影響が多方面に広がっているね。
B 政府の対策本部は25日に新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を決定した。26日には対策本部で今後2週間、全国的なイベントは中止や延期を要請することを決めたほか、関係省庁から日本経済団体連合会などに対して、テレワークや時差出勤の積極的な活用を求めるなど沈静化へ注力している。
A 千葉県や熊本市では建設現場での感染も確認されたが、国土交通省や建設業界の対応は。
C 国交省では、これまでも建設業団体などに対して、消毒液の設置など予防対策の実施を呼び掛けてきた。現場での感染確認を受け、地方整備局や自治体に対して、作業従事者の感染が確認された場合には、工期の見直しやこれに伴う請負代金額の変更などの適切な対応を講じるよう要請した。現場の施工を継続することが困難な事業は、発注者が工事の一時中止を指示することも通知している。
D 日本建設業連合会を始め、建設業関係団体ではセミナー、講習会などを中止している。会合を開催した一部の団体でも会場にマスク、アルコール消毒液を用意し、感染防止に努めていた。
B 団体や企業では罹患した職員への対応にも頭を悩ませている。検査を通じて感染が判明した後は、インフルエンザと同様に、病気休暇や特別休暇などとして扱われる。ただ、検査を実施する上での判断指標である「37.5度の発熱が4日以上続く場合」については、感染後に病気休暇などに組み込む、有給休暇を充当するなど、経過観察段階の対応がそれぞれで分かれている。

26日から28日まで東京ビッグサイトで開催されている第16回スマートエネルギーweek2020では来場者にマスク着用を要請。全入口ゲートでサーモグラフィーによる体温測定を実施し、医師・看護師も常駐するなど対策を講じている。一方で出展社のキャンセルも相次ぎ、例年のにぎわいぶりとはやや様相を異にしている

影響広がれば建設需要に下振れリスク

E 梓設計では25日から全従業員を対象に原則として在宅勤務に切り替えた。出社する場合は交通機関の混雑時間を避けて時間差出勤を行うとしている。このほかの組織設計事務所や建設コンサルタントでもテレワークやサテライトオフィス、フレックスタイムなどの制度を活用した対応を講じている。
D 設計や建設コンサルなど建設関連業は昨年4月から改正労働基準法の適用が始まっていることもあって多様な働き方への制度的対応が進んでいたことがある意味奏功した。これを奇貨としてモバイルワークが一気に定着するかもしれない。
B 昨年10月の消費増税や台風被害、さらには暖冬の影響もあって、2019年10-12月期のGDP(国内総生産)速報値は予想を上回るマイナス幅となった。今般の新型ウイルス感染拡大による社会経済への影響がさらに広がれば景気が一段と冷え込むことも懸念される。
E なにより生産・消費ともに世界最大のマーケットである中国で人・モノの移動が制約されることの影響は大きい。サウジアラビアで開かれたG20でも感染拡大は世界経済の最大リスクであることが表明された。今後さらに感染者が世界各国に広がればサプライチェーンを含め世界経済へのダメージは深刻なものとなる。
B 国内では順調だったインバウンドに陰りが生じれば実体経済も停滞するだろうし、当然ながら建設実需への影響も避けられなくなる。首都圏を中心とした旺盛な建設需要を下支えに、防災・減災、国土強靱化への対応もあって、ここ数年来好調に推移してきた建設産業界にとっても国内での感染拡大が今後1、2週間で収束に向かうのか、まさに正念場となる。
 
 
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら