近畿地方整備局近畿技術事務所は2月27日、奈良県五條市赤谷地区で整備している赤谷砂防堰堤の現場で遠隔操縦式建設機械の操作訓練を実施した。奈良県建設業協会や紀伊山系砂防事務所発注工事の受注者の職員ら約50人が参加した。
今回の訓練は災害復旧作業で土砂崩落や落石などの恐れがあるため、安全を確保しながら復旧作業が可能な無人化施工技術の習得を目的に開かれた。
2011年台風12号による紀伊半島大水害の被害を受けた赤谷地区などでは、大規模な深層崩壊や河道閉塞が発生した。これを受け、近畿整備局は斜面対策や砂防堰堤などの土石流対策事業を進めている。
座学では同局が保有する遠隔操縦式の分解組立型バックホウなどの災害復旧用の機械・車両の概要と赤谷地区の災害復旧状況、無人化施工技術について解説があった。
実機の操作訓練で参加者は、建設無人化施工協会の担当者らの指導を受けながら分解組立型バックホウを体験。通常とは違い、手元に直接伝わる感覚がなく、遠隔操作ならではの作業に苦戦しながら熱心に学んだ。
バックホウは、遠隔操作のために車載用カメラや操作用モニターが設置されており、150m離れた場所からでもコントローラーを使って操作できる。また、13ブロックに分解でき、ヘリコプターでの運搬も可能だ。
同様の訓練は17年5月に和歌山県那智勝浦町でも開いており、現場での訓練は今回が2回目となる。人手不足が続く近年、無人化施工は安全性を確保しながら作業できるため、同局は今後も訓練を開きたい考え。
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