ギャラリー1、2とともにギャラリー3も「一枚の布」をモチーフに安藤忠雄氏が設計した。「大きくも小さくもない特徴ある空間。四角い建物ではできない空間演出やアイデア、発想のきっかけとなっている。最初は難しいと正直思ったが、難しくて良かったといま思う」と佐藤氏。
同日開かれたレセプションには安藤氏も駆けつけ、「デザインのミュージアムが必要だというみんなの思いが1つにつながってこの場所が実現した。こういう場は世界にもなかったのではないか。文化の国、日本としてこの拠点を大切にし、これからもできることはやっていきたい」とあいさつ。創立者でディレクターの三宅一生氏も「デザインは時間がたって本当の良さが分かる。その意味ではまだたったの10年。われわれの仕事は時間や広さも大切だが、一番重要なのは人の気持ちだ」と話した。
ギャラリー3では、オープニング企画として、これまで34の展覧会を開催し、デザインの視点から生活・社会・文化について考え、世界に発信してきた10年間の活動を踏まえつつ、今後の活動について参加者とともに考えるイベントシリーズ「オープンカンバセーション」を、「土木展」のディレクターを務めた建築家の西村浩氏が出演する7日の「つくりかたをつくること」を皮切りに、6週にわたって開催する。