【21_21DESIGN SIGHT】10周年に「ギャラリー3」オープン 設計は安藤忠雄氏 | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

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【21_21DESIGN SIGHT】10周年に「ギャラリー3」オープン 設計は安藤忠雄氏

オープンしたギャラリー3

 東京都港区にある「21_21DESIGN SIGHT」が開館から10周年を迎えたのを機に、新たな活動拠点となるギャラリー3を3月31日に開設した。従来の展示スペースであるギャラリー1、ギャラリー2と隣接し、世界各国の企業を始め、教育・研究・文化機関などとの連携によって実験的なプログラムに取り組む、誰もが自由にデザインに触れられるスペースとなる。 2007年の開館からディレクターを務め、10周年を機に館長に就任した佐藤卓氏が同30日に会見し、「キュレーター(学芸員)の経験を積んだものが一人もいなくてスタートし、まったくの手探りで一つひとつ実験し、デザインの可能性を検証してきた。この10年やってきたことをベースに、デザインとは何かを問い続け、これまでかかわりがなかった、踏み込んでいなかったところにも積極的に切り込んでさまざまな角度からいままでなかった提案をしていきたい」と意気込みを語った。

佐藤卓氏

 ギャラリー1、2とともにギャラリー3も「一枚の布」をモチーフに安藤忠雄氏が設計した。「大きくも小さくもない特徴ある空間。四角い建物ではできない空間演出やアイデア、発想のきっかけとなっている。最初は難しいと正直思ったが、難しくて良かったといま思う」と佐藤氏。

安藤忠雄氏

 同日開かれたレセプションには安藤氏も駆けつけ、「デザインのミュージアムが必要だというみんなの思いが1つにつながってこの場所が実現した。こういう場は世界にもなかったのではないか。文化の国、日本としてこの拠点を大切にし、これからもできることはやっていきたい」とあいさつ。創立者でディレクターの三宅一生氏も「デザインは時間がたって本当の良さが分かる。その意味ではまだたったの10年。われわれの仕事は時間や広さも大切だが、一番重要なのは人の気持ちだ」と話した。

三宅一生氏

 ギャラリー3では、オープニング企画として、これまで34の展覧会を開催し、デザインの視点から生活・社会・文化について考え、世界に発信してきた10年間の活動を踏まえつつ、今後の活動について参加者とともに考えるイベントシリーズ「オープンカンバセーション」を、「土木展」のディレクターを務めた建築家の西村浩氏が出演する7日の「つくりかたをつくること」を皮切りに、6週にわたって開催する。

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