【安藤ハザマら】名古屋城本丸御殿錺金具を3Dモデル化 文化財の復元や伝統技術の継承に貢献 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【安藤ハザマら】名古屋城本丸御殿錺金具を3Dモデル化 文化財の復元や伝統技術の継承に貢献

 安藤ハザマとパンチ工業は、名古屋城本丸御殿の錺(かざり)金具(引手)の試作品をスキャニングし、3Dデータ化に成功したと発表した。今後、技術伝承の補助、文化財アーカイブ、観光資源としてのVR(仮想現実)への応用など、国内に多数ある文化財・歴史的建造物の保存復元、伝統技術の継承に貢献していく。

3Dモデル全体像

 錺金具は、微細な意匠に加えて金銀の光沢や、煮黒味(にぐろみ)という黒色が使われているという特徴がある。3Dスキャナーは、レーザーやLED光を対象物に照射して形状を計測するため、光を反射しない黒色や光沢のあるもの、透明なものはうまくスキャニングできず、微細な文様を再現することも難しいという問題があった。
 今回、名古屋城本丸御殿で復元された襖引手金具の試作品について、スキャナーの機器選定、光量・撮影モードの調整、700種類以上の素材を使用したレンダリングを行うことで、スキャニングの光の反射という問題を解決し、魚々子(ななこ)や蹴り彫り、毛彫り、鏨(たがね)のあとといった彫金技術のデータ化に成功した。
 さらに、上洛殿で実際に使われている錺金具の製作者である後藤錺金具製作所の指導のもと、レンダリングの最終調整を行い、金箔、煮黒味の色や質感、微細な彫金技術、泥七宝(どろしっぽう)の色艶や気泡などを忠実に再現した。
 
 
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